猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-06-01から1日間の記事一覧

「自由」なギリシア 対 「専制」の東方諸王国という図式

もし「自由」なギリシアと「専制」的なペルシアやエジプトという図式がギリシアのもともとのものでないとすると、それはどこでできのでしょうか。 詳しいことはわからないけれど、紀元前5世紀ごろに、強大なペルシア王国に対してアテネやスパルタ(「スパル…

ところで「専制」対「自由」の構図は歴史的事実なのか?

ところで、現実の古典時代ギリシアの人たち自身がいつからこのような意識を持っていたのか? いや、そんな意識を持った古典時代ギリシア人が現実にどれだけいたのだろう? それは私にはよくわかりません。もしかすると、現実には、「自由なギリシアと、不自…

「専制」の存在

しかし、もちろん古典時代ギリシアと同時代の世界にほかの支配体制が存在しなかったわけではありません。 古典時代のギリシア人がよく知っていた世界にも、ペルシアやエジプトなどの王国があり、同じギリシア人の世界にも、後にアレクサンドロス(アレクサン…

「政治」体制の伝統的な三分類

古典時代のギリシア以来、政治体制は、君主制・貴族制(または寡頭制)・民主制に分けるのが普通です。ロックやルソーの時代まではその区分が使われています。支配者が一人のばあいが君主制、支配者が少数者のばあいには貴族制、支配者が多数者または国民(…

「自由」対「専制」という図式はどこでできたか?

しばらくすばる望遠鏡の系外惑星撮影成功に関する話を続けました。今回は、ジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』後編(通称「市民政府論」)に関係する話に戻ります。今回は: 社会契約論は「都市化した社会の政治」を構想する http://d.hatena.ne.jp/r_k…