猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2011-08-06から1日間の記事一覧

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著者 渡邊大門 さんのホームページ: http://daimon.sengoku-jidai.com/ 拝見すると、今年に入ってすでに単著(本)を4冊、論文・記事なども含めると、すごいペースで、しかも一般向けメディアから専門書・専門雑誌まで、幅広く業績を発表しておられます。ほ…

「百年戦争」の後に

ところで、この『戦国誕生』では、幕府から守護の職をもらっても、実力でその国に入ることができなければ支配ができないとか、兄弟で親の持っていた地位を争うとか、なんか最近そういうの読んだな、『英仏百年戦争』で――という話がいっぱい出てきます。考え…

「実体」・「権力」に合った「形式」・「権威」とは?

鎌倉時代の守護が、室町時代には力をつけて守護大名になり、やがて戦国大名が登場してくる。私は学校ではそういうふうに習ったと思います。しかし、実際には、それぞれの家や領国についてみれば、「守護大名」から戦国大名へと順調に発展した例はあまり多く…

「幹部」層の弱み

そんなわけで、あんまり有能じゃないトップが強い権力者意識を持ったことが、室町幕府を混乱させる要因になるわけですが、じゃあ、「将軍は動かなくても幕府は動く」という仕組みのほうはどうだったのか? ――というと、これがまたあまり安定していなかった。…

トップが無能なのに政治に意欲的だとどうなるか

まず、この本で斬新だったのが、義政時代の足利将軍家の人びとの実像です。 足利義政は政治嫌いで、政治から逃避するために銀閣を作って、混乱する政治をよそに自分の趣味に生き、そこで奥さんの日野富子が大きな権力をふるった――みたいな見方がある。少なく…

渡邊大門『戦国誕生』講談社現代新書、isbn:9784062881067

日本の「戦国時代」が「どう終わったか」ではなく、「どう始まったか」に注目した本です。 普通は、室町幕府の将軍足利義材(よしき)(のち義稙(よしたね))がクーデターで失脚した1493年の「明応の政変」か、北条早雲(伊勢宗瑞)が幕府の出先であった堀越公…

こんどは日本の「百年戦争」時代について

ご無沙汰いたしました――と、また恒例のごあいさつからはじめなければなりません。 それと、暑中お見舞い申し上げます。立秋は8日、立秋を過ぎると暑中ではなくなるので、「暑中」は明日(7日)までですね。(夏の)土用も明日までです。 同人サークル WWF…