猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

ラテン語学習の近況

 4月から今月前半までやたらと忙しかったり、何か精神的にストレスの多い仕事が多かったりでずっとラテン語も勉強してなかったのだけど、最近になってようやく復活してきた。
 私は、『独習者のための楽しく学ぶラテン語』(小林標asin:447501803X)のうち、古典から引用されている例文を少しずつ暗記していくという方法で勉強している。
 最初のほうは覚えるのにすごく時間がかかった。一文を覚えるのが平均で一日、で、毎日勉強するわけではないから、一課分を暗記するのに一か月とかかかった。前途は遠い、とか思っていた。
 最近はそれよりはもう少し早く暗記できるようになっている。
 最初のころは、例文をノートに書き写して、全単語を辞書で引いて、意味と品詞と変化形をぜんぶ書き留めるというのをやっていた。でも、だんだん面倒くさくなって、声に出して読むだけにした。気が向いたら辞書も調べるという程度にしている。ラテン語は文字綴りと発音が一致するので、ちゃんと発音すればいちいち文字にして書くこともない。意味も「まあ文全体でこんな感じ」という程度に覚えている。
 文字に起こさないで、発音だけで覚えていこうとすると、「日本人が苦手」と言われる「lとrの区別」にもかえって意識的になる。以前は、「どうでもいいや」と思って、英語でもlとrの区別なんかいいかげんにしていたのだけど、意識してみると、わりと意識的に発音できるようになるものです。
 でも、やっぱし聴いても聞き分けられないんだよね〜。
 まあ、正直に言って、歳が歳なので「暗記物は無理かな」とは思っていた。大学のころに尊敬していた先生は「40歳にもなって新しい外国語を学ぶのはやめたほうがいい」とどこかで発言していた。だからどうせ挫折するだろうと思っていたのだけれど、意外に挫折せずに続いている。
 テストがあるわけではないし、基本的に道楽なので、忘れたら忘れたでいいし。
 「暗記物」はたぶんあんまり思い詰めないほうが効率がいいかも知れないと思う。でも「教育」としてやるとそれができないんだろうな。
 もう一つ、この経験で気づいたのは、「暗記は最初は捗らない」ということだ。その理由を考えてみると、その一つに、最初は「あっ、暗記だ! 覚えられるかな? 覚えられなかったらどうしよう……」みたいな恐怖があって、その恐怖を乗り越えるのでまず労力を使ってしまう。そういうことがあるんじゃないかと思う。