猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

アトリエそねっと、「火曜日 西 た−20b」に間借り(委託)/準惑星

 お知らせが遅くなってしまいましたが、「アトリエそねっと」は、コミックマーケット75では、30日(火曜日)西 た‐20b、お酒評論サークル「アトリエそなちね」さんに間借りいたします。よろしかったらおいでくださいませ。ちなみに「そなちね」さんの新刊にも私が短い文を寄せています。
 今回は、新刊のみ3冊、置かせていただきます。新刊といっても、一冊は夏(74)に出した本の完全版、一冊は9月の「岩漫」で出した本の増補改訂版ですが。

 ○【新刊】Sagolun! トルコに行って考えたことなど
 えーと、長いご無沙汰のあいだに、私はトルコに行って来まして、そのときの旅行記・印象記です。一つの都市のなかに「ヨーロッパ」と「アジア」があるイスタンブール、高原の首都アンカラ黒海岸の波も荒い「ビザンティン帝国終焉の地」トラブゾン、「トルコのすべてが止まる」国父ケマル・アタチュルクの命日から、謎のヨーグルト飲料、大盛りの鰯フライ定食まで、トルコで出会ったさまざまなものについて書き、最後に、「近代国家に生きる」ことの意味をちょっとだけ考えてみました。A5版(A4の二つ折り)、いちおうフルカラーで200円。
 「Sagolun」は、この g が「発音しないg」(「軟らかいg」という)なので「サーオルン」と読みます。「元気でいてください」の意味ですが、「ありがとう」の意味の「テシェッキュル・エデリム」がやや形式的なことば(日本語でいうと「感謝いたします」みたいな感じ)と取られるのか、「サーオルン」または「サーオル」で「ありがとう」の意味で使われます。

 ○【増訂】ファイン・ガール
 岩漫で出した、女子校天文部の部員たちのひと夏の物語「ファイン・ガール」に、TRIP新刊の「用語解説」を大幅増補して(無駄話が増えただけという感じもするが)、さらに「ファイン・ガール」の登場人物による国立天文台三鷹キャンパス案内「ファイン・ガール、国立天文台へ行く」を書き下ろして刊行しました。大好きな先輩が外国に行ってしまう? Oh, Be A Fine Girl...という、恒星の色と温度の関係を軸に展開する物語。これで、試験に「恒星のスペクトル型」の問題が出てもOKな(でもR型から後は要注意)ためになる小説です……ってほんとか? 自家製本の本、B6版、200円。B6というと2120形式……といっても何のことか普通のひとにはわからない。
 D51が空焚き、罐破損というのはなぁ……。具体的にどういう状況だったのだろう? ところで、D51という機関車は本来は貨物用なので、あまり客車牽引に適した蒸気機関車ではないはずですが(馬力はあるが速度が出ない)、でも、蒸気機関車全廃の前にはけっこう客車も牽引していたようです。牽引力に問題がなければ、「ピンチヒッター」に立つC11のほうが客車牽引には向いているはずです。
 いや、本には関係のない駄弁でした。

 ○【正式版刊行】黄昏の大地 1 王のいない王都
 王が王位を失い、だれも後継の王になれず、王の代役を務めていた宰相までが行方不明になった黄昏の王国で、32歳、未婚、無定職の女フィア・プレストコーリーの冒険が始まる。習い覚えた青ハガネの戟使いで、小遣い稼ぎのつもりで出た闘技会に優勝、その腕をあてにしたという怪しい男から「隣邦の少女女公が持つ水煙管を買ってきてほしい」という依頼が舞いこんだ。フィアは水上の賊の出没する川を隣邦ティアスメントに向かう。
 ほんとに今回の本は「始まる」ところだけです。それでも300ページありますけど。これはちゃんとしたオフセットで文庫版、800円です。
 第二巻は、順調に行けば(「インシャーアッラー」の気分で)9月の岩漫で刊行予定です。

 ○止まっている企画
 いや、「予告だけして止まっている」、「書きかけで止まっている」という企画はアトリエそねっとには数多く存在するのですが。
 ・『ことばのないうた』 夏に最初の部分だけ刊行し、ストーリーの流れは作ったのですが、登場人物の一人さくらのガラス工芸趣味その他、調べなければいけないことがたくさん出てきて、現在、停頓中です。いま、ロケハンも含めて進めている途中です。
 ・『ヒラル』 昨年の「アーティスティック・チェイン」で刊行したところで止まっています。こちらも調べないといけないことが多くて……。これも2009年中には再会するつもりです。