猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

シンポジウムの進行など

 今回のシンポジウムで印象的だったのは、進行の時間がほぼきちんと守られたことです。
 「シンポジウム」とかの学術的な会に行くと、ときには一時間以上も平気で延長することがあります。プレゼンの時間を大幅超過しても延々としゃべり続ける先生がいたりする。プレゼンの時間を守らないという点では私自身も人のことは言えた立場ではなく、よく時間を超過します。だから、そんなものかと思っていたら、このシンポジウムは5分程度の遅れで最後まで進みました。これは私も反省せねばと思うとともに、やっぱりプレゼンというのはこうでなければ、と思いますよ。須藤先生のガンダムの後ろ姿も含めて、提示資料もところどころに「遊び心」があり、非常にわかりやすく編集されていました。会場の小柴ホールの施設もすばらしかったのでしょうが、報告者の「聴きに来たひとにわかってもらいたい」という意思がはっきりしていたように思います。
 それと、最後に「パネルディスカッション」が予定されていたのですが、その時間はすべて会場からの質問への回答に当てられました。会場から出されたほぼ全部の質問に報告者が簡潔に回答するというミッションです。会場からの質問には、理学系専門研究者からと思われる専門性の高そうな質問から、専門家以外からと思われる質問まで、さまざまなものがありましたが、報告者3人は、紹介された全部にすらすらと適切に回答していました。ちなみに私は4件の質問を出し、そのすべてにご回答をいただきました。一方で、報告者どうしの議論も聴きたかったとも思うのですが、ともかく一般参加者との対話を重視するというこの学会の姿勢には強い感銘を受けました。
 シンポジウムが終わって外に出てみると、もう暗くなった夕空に、三日月よりも大きくなった月と木星とが近くに輝いていて清冽でした。