猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

SC50お疲れさまでした

 昨日、書いたように、サンシャインクリエイション行って来ました。参加のみなさまお疲れ様でした。また、ブースを訪ねて来てくださった方、近隣のブースの方、ありがとうございました。お世話になりました。
 ところで、「サンシャイン・クリエイション」とまん中に「・」を入れていたら、「・」はないのですね。
 会場の大きさが、天井が高い、いかにも「巨大なホール」という印象の強いビッグサイトと対照的で、もちろん大きくて広い会場には違いないのだけど、「ふだん暮らしている空間の延長」感があって、それがこのイベントのわりとアットホームな感じを作っているように思います。
 ずっと店番だったので、ほとんど会場を回れなかったのだけど、ともかく「絵の巧い人」というより「すごい絵を描く人」がいっぱいいることをあらためて実感しました。『けいおん!』のサークルさんのところとか、もっとゆっくり見たかったな、と思っています。まぁ、サークル参加者が一人なのでしようがないですけど。
 以前に販売した同人誌の感想を言ってくださる方もいらして、励みになりました。ありがとうございました。また、とても嬉しかったのは、以前、『かみちゅ!』イベントでご一緒した方にお会いできたことです。私のほうは思い出すことができなくて、たいへん失礼しました。私が、いま、いろんな街を舞台にいろんなお話を書いているのには、やっぱり『かみちゅ!』の影響が大きい。私がいまも同人誌に小説を書いているのには、何度かのきっかけがあるのですが、この作品はそのきっかけの一つになった作品です。
 今回はらくがきコーナーの真向かいで、たくさんの、さまざまな題材とさまざまなタッチの「らくがき」をずっと見ていられたし、しかも、それが描かれていく過程も見ていることができて、たいへん得をさせていただいた気分です。
 ありがとうございました。
 アトリエそねっとは、次回は3月の岩漫(盛岡市)、その次は5月のコミティアにそれぞれ申し込む予定です。よろしくお願いします。
 ところで、今回のペーパー『すずのね』の刊行日がまちがってましたね。昨年の夏になっている。テンプレートにあの日付が入ってしまっていて、それを直さなかったのが原因です。朦朧として作っているからそういうことになるわけで、すみません、次回から気をつけます。次回はもうちょっと余裕を持ってイベント準備にあたりたいな、と思うのですが……いや、いつも思ってるんですが……。とくに今回は直前がこんなに忙しくなると思っていなかったもんで……ってそれもいつも言ってますね……。

「無秩序さ」感が魅力の街

 帰りは、池袋方面に出るのではなく、丸ノ内線都電荒川線に乗ろうと思って、池袋とは反対側に行きました。で、地理不案内なもので、少し迷いました。でも、それで、いろんな街の表情を発見できて、街で「迷う」ことの愉しさも実感した。製造業の町工場的な工場があったり、銭湯に出会ったり、昭和後半らしい街並みに出会ったり。寝不足のうえ、荷物を持っていたのでたいへんではあったけど。
 今回のペーパーに「大阪の市街は、基盤が「古都」なので、新しいビルも古い市街も「碁盤の目」の区画の上にきっちりとすわっていて、品のよい街だと感じる」という感想を書きました。で、それに対して、私は、東京の街並みはどちらかというと「無秩序さ」の感じが魅力だと思っています。「複雑系」感というか。「無秩序」的なものに何かあるんじゃないかということを探っていくのが、私は東京の市街地を歩く愉しさなんじゃないかと思っているのです。
 そういう「無秩序さ」が嫌いという人もいる。建築関係の人には、そういう「無秩序」さがいやだ、もっと一つの都市の建築というのは、計画的に、統一感を持って作られるべきだというひともいます。そういう思想に私は全面的に反対ではない。それに、いまの東京の「無秩序」さは、防災上はあんまり好ましくないのかも知れない。
 けれど、でも私はそういうところが好きです。劇場版『パトレイバー』(第一作)に引きつけて言えば、「バベル」でよかった、というか。何かに統一された秩序ではなく、ことばが通じなくされた者たちがそれぞれ勝手に作り上げていくものが、出会い、ぶつかったりくっついたりしている、そしてそこにだれが意図するわけでもなく浮かび上がってくる別の「秩序」感みたいなものが、はっきりとではないけれど、感じられる。それが魅力的だと思うわけです。
 前にも書いたことですが、少し動いただけで見える景色が変わる、もうちょっと先に行ったところでどんな景色が見えるか予想がつかないという街並みが好きなんですね。まあ、治安状況を信頼していられるから、そういうことが言えるのかも知れませんが。
 いま、昔の『思想地図』の第三巻の「アーキテクチャ」論(2009年5月)を読み始めたところです。今日、迷ってみたことで、いまの東京を起点に「アーキテクチャ」を論じるときには、そういう「無秩序さ」感を意識して論じないといけないよな、ということを感じました。