猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

蛇足――化学の名まえ

ところで、これを書くために調べていて、アルコールや脂肪酸で、炭素の数が多いものを「高級」、酸素の数の少ないものを「低級」というのだと知りました。お酒のアルコール、つまりエチルアルコールは「低級」なほうです。アルコールとしては二番めに「低級…

やっと「水と生命」の話まで戻ってくる

水は「分子」とはいっても酸素に水素が二つくっついただけの「小さい」分子です。しかも極性がある。小さい分子ですから、他の分子の隙間にでもわりと容易に割りこむことができます。そして、水の分子には極性があるから、相手が極性のある分子やイオンであ…

砂糖はなぜ水に溶けるか

ところが、砂糖の分子は全体としては極性があまりないのに、極性のある水によく溶けます。これはなぜかというと、砂糖の分子はその外側に水酸基(酸素一つ、水素一つの組)がたくさんくっついているからです。水酸基の外側は、酸素の孤立電子対が二つもある…

極性のあるものはあるものどうし、ないものはないものどうし

でも、「極性」のことを持ち出すと、じつは「極性のある物質には、極性のある物質か、イオンでできた物質しか溶けない」というのが本筋のはずなのです。なお、イオンというのは、原子一個か、またはいくつかの原子がグループ(「基」)がかたまりになって、…

適切な「不正確なモデル」の必要

でも、正四面体の話とか、図があるとないとでぜんぜん説明のしやすさが違うと感じました(ここでは図を使わなかったわけですが)。理科ではやっぱり「図で示す」ということが重要なのではないか。図で、理科的現象についての理解が変わってくるように思いま…

どこからこの話に来たのか

また更新の日数が開いてしまいました。すみません。 さて、どこからこの話になったかというと、原始惑星系星雲本体に水(水の氷)があるらしいことをすばる望遠鏡が発見したというニュースからでした(http://d.hatena.ne.jp/r_kiyose/20090307)。「水があ…

「正四面体」の頂点を二つずつ分け合うと必ず偏りができるという話

さて、では、酸素原子のまわりのどこに水素原子がくっつくかということが問題です。 「ほかの原子の電子を絡みつかせることのできる場所」が酸素のばあい四つある。さて、電子はマイナスの電気を帯びていますから、電子どうしは「絡みつき」を起こしていない…

「共有結合」の説明

原子は、ほかの原子を自分の隣に引き寄せてくっつくためには、自分のまわりの電子を使います。自分のまわりの電子を、隣の原子の電子に「絡みつかせて」引っぱってくるのです。そうすると、電子が絡みついているために原子同志がなかなか離れられなくなり、…

水の分子の「極性」を説明する

ところで、砂糖は塩よりもずっとよく水に溶けます。 だから、塩水の辛さには限度があるけど、砂糖水はずっと甘くできるはず……なんだけど、塩は水に溶ける分だけで十分に塩辛いよなぁ。前に食べた「がんこ総本家」(早稲田にあった)の「悪魔ラーメン」とかす…

「中和」の話のまとめ

水の話のつづきです。 水は、イオンにでできた物質に出会うと、自分が水素イオンと水酸基イオン(水素一つと酸素一つ、水酸化物イオン)に分かれて、原子や原子の組み合わせ(基)の大きさでイオンでできた物質と混ざり合うことができる。だから、水はイオン…

ここで「理科嫌い」の考察

ところが、中学校と高校の物理で、計算がややこしく、その計算が必要な理由も理解できなくなって、ついて行けなくなり、私は「理科嫌い」になってしまいました。「嫌い」ではないんだけどね。夜中の高校講座(の再放送)を見るくらいには「興味はある」のだ…

水は特別な性質の物質だ、の続き

さて、水に溶ける物質というのは、「イオン」でできた物質か、「極性」のある分子でできた物質だと化学の授業で習いました。 イオンというのは、物質が、原子や、いくつかの原子がくっついた単位(日本語では「基」と言ったり。英語では「グループ」または「…

唐突ですが...

ということで、唐突ですが やなか珈琲店 : http://www.yanaka-coffeeten.com/ このチェーンでは注文を受けてから豆を焙煎して挽いてくれます。挽きの粗さ細かさはもちろん、焙煎の深さも指定できます。といっても、コーヒーについての私の知識では「おすす…

水は特別な性質の物質だという話

何が特別かというと、何より、前回書いたように、水はさまざまなものを溶かし、しかも、本来は水に溶けないものまで「どろどろ」の状態にして混ざりやすくするという性質が、です。 世のなかの物質には、水に溶ける物質と溶けない物質がある。それは、小学校…

水の話と「理科嫌い」の話

前回に書いた内容から横道に入ります。 前回は、水がなければ、地球に、いまある(いる)ような生命はまず生まれなかっただろうということを書きました。それを考えていて、水というのは特別な物質だということを感じたので、今回はそれについて書こうという…

原子惑星系円盤の「氷」から生命への道

私が天文情報からご無沙汰していたあいだに、なんか昨年後半あたりから系外惑星についての新たな発見が相次いでいる感じです。 フォーマルハウトの惑星がハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたとか: http://www.astroarts.co.jp/news/2008/11/14hubble_fomalhaut/…

宇宙初期の赤色巨星と塵

しばらくわりと頻繁に書いていたのに、ひと月ほどご無沙汰してしまいました。すみません。 で、今回は天文ネタです。 宇宙の初期にできた銀河には赤外線を放出しているものが多いのだそうです。その赤外線はどうやったら出るかというと、どうやら「塵」が銀…