猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2005-01-01から1年間の記事一覧

よいお年を

昨日はコミックマーケットでいろいろとお世話になりました。 ことに、アトリエそねっとの新刊『『かみちゅ!』の街 尾道の旅』をお買いあげいただいたみなさま(「アトリエそなちね」に委託)、ありがとうございました。 来年もよろしくお願いします。 いま…

神田千里『土一揆の時代』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、isbn:4642055819)

昨日採り上げた『島原の乱』の著者 神田千里さんの前著。この本では、「土一揆」というものが登場し始めた時期(1420年代、正長年間)から、それが変質し、やがて江戸時代の「百姓一揆」へと姿を変えていく過程が、主として京都周辺の状況を中心に描かれてい…

神田千里『島原の乱』(中公新書、isbn:4121018176)

「島原の乱」は、飢饉の年に重税を課し、納めきれない民衆を残酷な刑に処したりしたために、民衆の不満が、たまたま宗教反乱というかたちで噴き出した事件だったのか? そうではないと著者の神田さんは言う。それは、「戦国時代」の最後を飾る騒乱事件であり…

WWFNo.31出来

このまえ入稿した『WWF No.31』が完成して、主宰者のへーげる奥田さんからお送りいただいた。ありがとうございました。 それにしても同人誌の印刷は仕上がるのが速くなった。10年前、同じ『WWF』シリーズに寄稿したときには、入稿が11月末で、コミケ直…

冬コミ向け同人誌出来

また半月以上空いてしまいました。 息抜きとか、飲み会(仕事関係抜き)とか、ぜんぜんやってないわけじゃないけど、ともかく今年は仕事が多くて、なんかすごく慌ただしい。現在もいくつか仕事を先送りしている。それを片づけてしまえばもう少し気が楽になる…

また市民権喪失寸前

またまたご無沙汰しました。 こんなにあいだを空けるつもりはなかったんだけど、年末進行気味に仕事が溜まるところへ、別の仕事が重なってきた、さらに同人誌の原稿書きで時間を使ってしまったりして、けっきょくこういうことに。 積極的に仕事しようとしな…

大澤真幸『文明の内なる衝突』NHKブックス、isbn:4140019433

私がこの本の存在を知ったのは、東浩紀・大澤真幸『自由を考える』(同じくNHKブックス)に収められている最初の対談がこの本の出版を記念して行われたものだったからだ。 あとがきに「本書は9・11テロの衝撃のもとで書かれた」とある。たしかに、事件に…

南和男『江戸の町奉行』吉川弘文館、isbn:4642055932

江戸の町奉行の制度の変遷とか、仕事の内容とか、評判とか、当時の奉行所での裁判の実態とか、小伝馬町の牢屋の実態とか、火付盗賊改や与力・同心といった町奉行に近い職についてとかを、史料に基づいて紹介した本だ。もちろん時代劇に描かれている町奉行や…

落ちました

アトリエそねっとは落選しましたので、今回の冬コミックマーケットには出ません。 2日開催だし、難しいかな、とは思っていたし、「忙しくて本を作れるかどうかわからない」という状況の(ホームページの更新も止まったままだし)私のところが落ちるのは、ま…

コミケ落ちました

本田美奈子さんが亡くなったという。とくに関心を持ってきた女優さんというわけではないけど、デビューした時期が、私が東京で暮らし始めた時期に重なっているということもあって、訃報をテレビで見て、そのころのことを、関係ないことも含めていくつも思い…

今日、買ってきた本

ほかの本を探していて、ふと目にとまったのが将棋の先崎学八段の『最強の駒落ち』(講談社現代新書、isbn:406149757x)……で、買ってきた。 まだ前書きと第一章の最初を読んだだけだ。でも、自分の体験と較べて、さっそくなるほどと納得した。 小学生のころ、…

最接近は過ぎたけれど

昨日、真夜中に物干しから真上を見上げたら、火星がよく見えた。 「今回は前回大接近ほどのぎらつきはなくて……」ということを前に書いたけど、じつはそんなこともなくて、今回も「赤い地味な星」というのとは違う明るい星として見えている。感じとしては、中…

「撰銭」の話の続き

現在の社会では、外国為替が「撰銭」の場と似たような性格を持っている。自分の資産を合衆国ドルで持つか、ポンドで持つか、ユーロで持つか、日本円で持つかを私たちは「撰銭」できるわけだ。たとえば、アメリカでテロが起きたりするとドルが嫌われて値下が…

火星最接近

今日が最接近なんだけどなぁ。曇っていて見えない。 今回は、前回の数万年に一度という大接近には及ばないものの、「中接近のなかでは大接近」ぐらいかな。地上から見た直径は、前回の25秒(360分の25度)に較べて20度で、輝いて見える面積も狭く、明るさも…

撰銭問題

ところで、昨日、最初のほうで「貨幣は存在するのに統一的な管理者がいないために発生する経済問題」と書いたのは、黒田基樹『戦国大名の危機管理』(この本については、id:r_kiyose:20051002, id:r_kiyose:20051026, id:r_kiyose:20051027で触れた)で「撰…

黒田基樹『戦国大名の危機管理』のつづき

戦国時代の村は、飢饉や自然災害と闘わなければならず、貨幣は存在するのに統一的な管理者がいないために発生する経済問題と闘わなければならず、水争いや土地争いで隣村と闘わなければならず、しかも隣国の大名にいつ土地を荒らされるかも知れないという立…

黒田基樹『戦国大名の危機管理』に関して触れた点のつづき

前に、人間を生かすための権力というのだったら、中世から権力はずっと生権力だったのでは、と書いたのだが、大澤真幸さんの『文明の内なる衝突』(NHKブックス)を読んでみると、どうもそうではないようだ。ここでいう「権力」というのは、いわば人間に…

ご無沙汰しました

前に書いたのが2日で、24日空いてるってことですね。ご心配をおかけしたかも知れません。ごめんなさい。 予定していなかった仕事が入ったり、風邪引いて寝こんだり、尾道に行ったり(う〜む)でなかなかここに日記を書いている時間が取れませんでした。 忙し…

スタインバーグ 指揮/N響のシベリウス交響曲第二番

いまNHK教育の『N響アワー』でリアルタイムで聴いたところだ。最初のほうは、こんなに明瞭な演奏はシベリウスじゃないよ、なんて思いながら軽く「ながら聴き」していると、なんか第四楽章まで来ると盛り上がってしまった。う〜む、シベリウスの交響曲第…

黒田基樹『戦国大名の危機管理』吉川弘文館、2005年 isbn:4642056009

少し前に、職場からの帰りに電車に乗るために駅まで行ったのに、ホームまで上がる元気が出ず、思わず駅近くの書店に寄って衝動買いしてきた本のうちの一冊だ。 「戦国大名の危機管理」というタイトルだけど、どっちかというと「村の民衆と戦国大名」みたいな…

新日本紀行

NHKがやっている『新日本紀行』再放送企画で、昔の只見線が出てきた。只見線はいまだに乗ったことがない。しかし、昔の映像(現在の映像にも出てきた)C11型蒸気機関車は、私の子どものころに、家の近くの線路を走っていた。また、昔の映像に映ってい…

9月は一度も更新しなかった

今年の9月は仕事がいくつも重なっていて、一つの仕事を片づけたらもう次の仕事の締切が迫ってるって感じで、少しも気が休まらなかった。とくに前半は身体を休めているひまもなく、引いた風邪は治らないし、仕事上のつきあいで慣れないきつい酒を飲んだら胃腸…

碇義朗『戦闘機「隼」』のつづき

たぶん、当時の中国(蒋介石政権)の戦闘機やソ連の戦闘機を相手にするかぎり、九七戦がいちばん適した戦闘機だったのだろう。そこでの成功体験が隼の開発の「壁」になってしまった。九七戦の「軽さ」に慣れた戦闘機乗りは、隼の操縦感覚の「重さ」に抵抗を…

搾取されて堕落した神様

正月三が日、出勤して、拝まれて、もしかするといくつか望みもかなえてあげて、お賽銭もたっぷりもらったはずなのに、収入はぜんぶ来福神社に押さえられて給料もらえなかったんだな。<ゆりえちゃん 旧札(いまから言うと旧旧札になる)を描くのも一つの狙い…

まだ遅れてます

すみません。まだ遅れてます。風邪が治らない……というか、風邪が治ったら仕事がたまってて、その仕事を片づけてやれやれと思ったらまたぶり返して、という感じで。 いや、まあ、途中で、サークルのオフ会行ったり、日立電鉄の廃線跡を見に行ったりはしたけど…

碇義朗『戦闘機「隼」』光人社NF文庫(isbn:4769820992)

大ざっぱに言うと、前半は中島飛行機技師長の小山悌(やすし)を中心とした帝国陸軍の一式戦「隼」の開発物語で、後半が隼の戦記である。 興味深かったのは隼の開発物語だ。性能上も優れ、戦果も挙げている現役機があると、後継機の開発は苦労する。隼のばあい…

また遅れてます

すみません。日曜日にパッと作業をやって、月曜日に更新するつもりだったのですが、もたもたしているうちになんか風邪引きかけたらしくて……体調がもうひとつよくない。 今週末ぐらいにはなんとか更新したいな〜と思ってはいるけど。 『かみちゅ!』も2週間た…

コメンタリーなど

札幌行きの予定がなくなってひさしぶりに暇ができたので、『かみちゅ!』のDVDをコメンタリーにして見た。いや〜楽しいコメンタリーでした。まだ公式オープニングができていなくて、でも本編はDVD版どおり完成していた段階でのコメンタリーということは、DVD…

そんなわけで

明日(4日)に更新することにしていたのですが、現状では更新している時間がありません。『かみちゅ!』記念で尾道に行った話など、早く書かないとどんどん古くなってしまうんだけど、ともかく時間がないので、一週間延期します。すみません。 そういえば、…

大失敗は少し慣れたころにやってくる

これまでは、毎年、8月の半ば以降から9月初めというのはわりと仕事がひまな時期だった。もちろん、忙しいということだけ言えば、8月中ごろまで毎年すごい多忙を極めていて、いつも寝不足の顔をさらしていたけれど、それは、ひとえにコミケのせいである。 と…