猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

WWFNo.31出来

 このまえ入稿した『WWF No.31』が完成して、主宰者のへーげる奥田さんからお送りいただいた。ありがとうございました。
 それにしても同人誌の印刷は仕上がるのが速くなった。10年前、同じ『WWF』シリーズに寄稿したときには、入稿が11月末で、コミケ直前にしか刷り上がらなかったものだ。
 今回は北田暁大さん(id:gyodaikt)の『嗤う日本の「ナショナリズム」』特集ということで、私が以前にネットに載せたバカ長い評(http://www.kt.rim.or.jp/~r_kiyose/review/rv0507.htm)を再録したほか、2本、別の原稿を寄稿した。一本は北田さんの『広告の誕生』、『広告都市・東京』、『〈意味〉への抗い』の評で、もう一本は、ネット時代を迎えて「啓蒙」というのがどう変化したかという話だ。で、その「ネット時代の啓蒙」論でアカデミズム系知識人批判を書いたりしたのだけど、今日、竹内洋丸山眞男の時代』(中公新書isbn:4121018206)という本を読んでみると、私がその文章に書いたようなことは私が生まれる前から言われていたのだね。まあそりゃそうだな。
 ただ、大学を拠点とするアカデミズム系知識人に対してどんなに批判があっても、長いあいだ、「知」の世界でのその覇権をひっくり返す手段がなかった。でも、現在はそれがネット上の掲示板とかブログとかいうかたちで出てきている。言論の世界はそれでおもしろくなるのか、それとも……?――というところだけれど(私はおもしろくなると思うけどね)、北田暁大さんや東浩紀さん(id:hazuma)、それに、最近、北田さんとの対談本(『限界の思考』双風社、isbn:490246506x。480ページで1900円で内容詰まりまくりのすごいお買い得な本です)が出た宮台真司さんはそういう状況を押さえて発言しておられるので、個々別々の論点には賛成・反対そのほかいろいろあるけど、ずっと関心を持っていきたいと思っている。
 ちなみに、アトリエそねっとのほうは今回は『かみちゅ!』関係のコピー本を予定しているのだけど(『パタパタ飛行船の冒険』のオリジナル小説って前から言ってるんだけど、なかなか書けない。資料集めとかはぼちぼち進めてるんだけどね……)、なかなか原稿が書けず、こっちはけっこうピンチです。