猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ところで訂正

前に「長歌」があるのは『万葉集』までで、『古今集』以後「長歌」など短歌形式以外の和歌はすたれた、みたいなことを書いたと思います。でも『古今集』読んでみたら、旋頭歌(五‐七‐七/五‐七‐七)も長歌もありますね。すみませんでした。

次は「近代」から解き放たれた人たちへ

「佐藤通雅『賢治短歌へ』について」の第5回(とりあえず最終回)です。 作者の佐藤通雅さんは、ご自身が歌人ですし、近代短歌史や近代短歌論にも通じておられる。そして、同時に賢治研究家でもある。それがこの本の最大の「強み」でしょう。 佐藤さんが最初…

御礼、お知らせ+【宮沢賢治】佐藤通雅『賢治短歌へ』について

「本の杜7」ご参加のみなさまお疲れ様でした。……もう一週間経ってしまいましたけれど。 「本の杜」はいつも心が和むイベントですが、今回はとくに時間が経つのを忘れてしまう楽しいイベントでした。打ち上げ参加も久しぶりでしたが、これもやっぱり時間が経…

【宮沢賢治】「短歌歌人」としての賢治の生涯

「佐藤通雅『賢治短歌へ』について」の第4回です。 この本で、佐藤通雅さんは、賢治(宮沢賢治)の(旧制)中学入学以後の足跡をたどりつつ、賢治の短歌を時期ごとに読みこんでいきます。 佐藤さんが重視しているのは、賢治が、中学校に入って寮に入り、「自…

賢治の短歌はヘンでおもしろい!

私のばあいは、そういう評価を知る前に読んだので、「なんだこれは?! とってもヤバげでおもしろいじゃないか!」と思ってしまいました。 とりあえず、どんなふうに「ヘン」なのか、いくつか実例を紹介したいと思います(なお、ところどころ書き改めたり()…

「佐藤通雅『賢治短歌へ』について」の第3回

宮沢賢治というとやっぱりまずは詩(口語詩)と童話の作家であって、それ以外の文語詩とか短歌とかは、「賢治について詳しい人は知ってるよね」程度の認識で終わってしまいがちです(あるいは「そんなのあるの?」とか)。しかも、賢治の詩に関心を持つ人も…

【宮沢賢治】賢治の短歌とはどんな短歌か

……の前に。 「本の杜」にサークル参加します。 2015年4月19日(日) 11:00〜15:30 川崎市産業振興会館 4階 企画展示室 A-06 「アトリエそねっと」です。新刊をどうするかは現在悩み中です。「新刊は何もありません」という事態は全力で避けたいのですが……。 …

【宮沢賢治】「近代短歌」と「賢治短歌」

「佐藤通雅『賢治短歌へ』について」の第二回です。 佐藤さんが前著で採り上げた「文語詩」が賢治(宮沢賢治)の生涯最後の時期の重要作品だとすれば、賢治の最も初期の作品群は短歌です。 賢治は、現在でいう中学生・高校生のころから短歌を作っていました…

佐藤通雅『賢治短歌へ』洋々社 isbn:9784896742206

佐藤通雅さんは、宮沢賢治研究家であるとともに、ご自身も歌人でいらっしゃるとのことです。その佐藤通雅さんが、宮沢賢治の短歌作品について論じたのがこの本です。 佐藤通雅さんの本では、前に『宮沢賢治東北砕石工場技師論』(同じく洋々社刊)を読みまし…

佐藤通雅『賢治短歌へ』の評……の前説

前に「この月食の時期の天文現象は雲で「皆既」してまったく見えなくなってしまう可能性がけっこうあるというのがたいへん悩ましい」と書いたら、私の住んでいる地域ではほんとうに曇ってしまいました。実現してほしくない現象はあんまり文字にするものでは…