猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ゲーム」としての探偵小説

私は、高校生のころ、探偵小説を、作者と読者の犯人当てゲームだとする考えかたに強い反発を感じていました。それは、たぶん、そのころの私の国語の先生の影響だったのでしょう。小説とは人間の心の動きを描くものであって、娯楽のためのものではないという…

「生命」と探偵小説

前回の続きです。 で、そんなことで、『すべてがFになる』の瀬名秀明さんの解説はやっぱり優れていると思う。 「解説」という以上、作品を評価するためのデータ――べつに数値という意味ではなく――を挙げているのがあたりまえだと思います。で、瀬名さんの解…

探偵小説評の「書きにくさ」

前回、『すべてがFになる』について書いたので、今回もその続きです。 前回の文章を読み返してみるとどうも文章がぎこちないですね。 その理由の一つは、しばらくここに書かなかったことと、あと、書いてて肩の凝る仕事の文書ばかり書いていたことでしょう…

小惑星に関する訂正

ということでちょっと「理系」的な話題へ。 太陽系外縁天体(TNO「海王星より遠い天体」を日本語ではこう呼ぶのだそうです)で、軌道が扁平(楕円らしい楕円)なのはセドナでしたね。「海王星より遠い巨大小惑星」としてまず見つかったのがクワオワ(クワ…

森博嗣『すべてがFになる』講談社文庫(isbn:4062639246)

まあ森博嗣作品のファンになったという意味ではFにはなったのですが。 周到な作品だと思います。真相がわかってから思い返すと、たとえば、些細な場面でも、あの人物がここでああいうことを言うのは、そういう理由があったのだ、と思い当たることがいろいろ…