猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-01-01から1年間の記事一覧

シンポジウムの進行など

今回のシンポジウムで印象的だったのは、進行の時間がほぼきちんと守られたことです。 「シンポジウム」とかの学術的な会に行くと、ときには一時間以上も平気で延長することがあります。プレゼンの時間を大幅超過しても延々としゃべり続ける先生がいたりする…

「太陽系外惑星を探る」

シンポジウム「現代天文学の最前線」(2009年12月20日、東京大学小柴ホール)の第三報告は田村元秀さんによる「太陽系外惑星を探る――第2の地球と人類の仲間はいるか?」でした。 私は田村さんの講演は昨年の天文台(三鷹)特別公開でも聴いています。そのと…

「見えない宇宙の彼方を探る」

シンポジウム「現代天文学の最前線」(2009年12月20日、東京大学小柴ホール)の第二報告は須藤靖さんによる「見えない宇宙の彼方を探る――ダークマター、ダークエネルギー」でした。須藤さんは、ガンダムの後ろ姿がお好きということで、報告のプレゼン画面に…

「宇宙暗黒時代を探る」

宇宙創成のビッグバン以後は宇宙全体が光り輝いている状態でした。温度が高すぎて原子核に電子がくっついていられず、あっちこっちで光(エックス線とか電波とかも含んで)が出たと思ったらまた吸収され、というのを活発に繰り返していたので、先が見通せな…

シンポジウム「現代天文学の最前線」に行ってきました(1)

12月20日、東京大学(本郷)の「小柴ホール」で、「シリーズ現代の天文学」刊行記念シンポジウム「現代天文学の最前線」が開かれました。事前登録は必要なく、その時間に会場に行けばいいというので、もし入れなければ不忍池をはさんで東大の対岸の上野動物…

ごきげんよう、お姉さま

ところで、「海の長周期気候変動」を、専門用語では「レジーム・シフト」というそうです。「レジーム」は「政治体制」などというときの「体制」、「シフト」は変動ですから、「体制変動」です。 で、政治で「体制が変動すること」を革命といいます。 「レジ…

「獲りすぎ」はないのか?

では、魚の資源量は「海の長周期気候変動」で左右されるから、漁業で魚を獲っても獲らなくても資源量にはあまり影響はないのか――というと、そんなことはない。魚はどこかから湧いてくるわけではなくて、親が卵を産んで、その卵が孵って育つ。「海の長周期気…

海の気候変動はどうして激しいのか?

前回載せた文章を書いてから、なぜ海ではそんな大気候変動が起こるのだろうとふしぎに思いました。「それまで気温0度だった冬が気温20度の冬になる」というのは、魚の感覚をシミュレーションしてみた感覚ですが、16度から22度への変化分の6度であっても、地…

しろうとの天文好きの考えること

ところでアリューシャン低気圧なんて「季節もの」だと思います。だから年によって強弱がばらばらでもおかしくない。太平洋高気圧だって、強い年(猛暑になる)と弱い年(冷夏やぐずつき気味の夏になる)があって、それは直前にならないと確実な予報ができな…

「海の長周期気候変動」の仕組み

「海の長周期気候変動」はアリューシャン低気圧が10年ほどの周期で強くなったり弱まったりすることによって起こるらしい。アリューシャン低気圧というと天気予報でよく聴……かないな。「太平洋高気圧」とか「オホーツク海高気圧」とか「移動性高気圧」とかは…

本田良一『イワシはどこへ消えたのか』中公新書、isbn:9784121019912

マイワシ、つまり「大きいイワシ」が北海道東沖(道東沖)で1993年を最後に獲れなくなってしまった。私は、もともと、「イワシ」というと「小さいイワシ」、つまりカタクチイワシのことだと思っていましたから、スーパーの売り場で「大きいイワシ」の値段が…

海の「長周期気候変動」

もう前の前の週末のことになりますけれど、新刊の『黄昏の大地』第二巻も間に合い、TRIP?Secret行って来ました。今年は外もいい天気でしたし(雨の東京と気温がそんなに変わらなかった)、全体にいつもの年にもまして「まったり」した空間だったと思います。…

そのほかの企画など

『黄昏の大地』以外の小説の企画で、ごく最初のところだけ書き始めただけで止まっているのが『ことばのないうた』と『ヒラル』で、あと予告だけ出して本編が出ていないのが『魔法のおけいこ』で……う〜む、自分でも「気が多い」・「移り気」とは自覚しており…

『黄昏の大地』第二巻「白雷鳥の少女」

花巻市のしんろう会館で22日(日)に開催されるTRIP?Secretに「アトリエそねっと」で参加します。よろしくお願いします。 TRIP?Secret:http://nt.sakura.ne.jp/~rrr/nt/ それで、先日、『黄昏の大地』の第二巻を入稿しました。順調に行けばTRIPでの新刊とし…

鈍意進行中

ここのところ仕事とかが波状に打ち寄せてきていてご無沙汰しました――って、ずっとご無沙汰の言いわけばっかりしています。いまに始まったことじゃないですけど。 そんななかで、なかなか鋭意進行中とは言える状況ではないけれど、また「地道に」とも言えない…

今後の予定、関連ホームページなど

11月6日(金) アルバム quatrequarts 発売 11月7日(土) 石丸電気ソフト本店7階でイベント 11月15日(日) 渋谷タワーレコードにてイベント 12月6日(日) スターパインズカフェにてライブ(昼の部「2/4」、夜の部「4/4」) 池澤春菜さんのホームページ HA*LUNApar…

4分の3と4分の1

quatrequarts ということは、4分の3までが、作曲(+編曲)、作詞、歌で、最後の4分の1が聴く人ということになるんでしょうけど。 Confetti でも『光の花束』でも、最初の4分の3が、ていねいに、念入りに、しかも凝って作られているということを感じます。『…

女の子どうしの友情

今回の記者発表で何回か出てきた話題が「女の子どうしの友情」ということでした。今回は桃井はるこさん作詞・作曲の「友達になろうよ」という曲が入っています。 じつはもともと(桃井はるこさんが)すごく好きなんですね。あの、一人の女性としても、アーテ…

甘さと毒

「quatrequarts」というのは、 フランス語で「四分の四」の意味で、粉と卵、砂糖、バターを焼き菓子の基本形をさす。パウンドケーキと同じ意味を持つこのタイトルは、お菓子のように甘い歌声にかけ、さらに、音符とことばと声、そして聞いてくれる人で完成さ…

池澤春菜 Quatrequarts 合同記者会見のご報告(かなり遅れました...

池澤春菜さんの WAVEMASTER (WAVEMASTER HAPPIES レーベル)からの第三作「Quatrequarts(カトルカール)」が来週の金曜日(11月6日)に発売されます。で、その制作完成後の合同記者会見が10月10日に開かれました。 ……ってもう三週間も前じゃないか! えーと…

さて

今日は、これから、これまでのここの日記で取り上げた流れからすると、ちょっと意外なところを「歩いて」きます。その報告はまた近いうちにここに掲載しますね。

佐藤文隆『アインシュタインの反乱と量子コンピュータ』京都大学学術出版会(学術選書)、isbn:9784876988419

アインシュタインが量子力学を批判して「神様はさいころ遊びなどしない(神は賽を振りたまわず)」と言った――という話は、その手の話題が好きな人にはよく知られているのではないかと思います。そんなこともあって、アインシュタインは、相対性理論の面では…

福井憲彦(編)『フランス史(新版世界各国史12)』山川出版社、isbn:4634414201

調べなければならないことがあってこの本を読み、けっきょく、当面必要のないところまで含めて通読してしまいました。やっぱりフランス史っておもしろいなと思います。 フランスというと「アナール派」(「アナル派」)の本場らしい。もっとも私は「アナール…

というわけで無理やり「落ち」を作る?

アインシュタインの相対性理論とか、量子力学とか、20世紀に始まった現代物理学には、私たちの日常感覚とはかけ離れたもの、日常感覚とは違うものがたくさんあります。 けれども、どうだろう? ニュートンの「古典力学」の段階で、すでに物理学は「日常感覚…

遠心力の正体

ところで、前回、「遠心力」という力があると書きました。モノは、ほうっておいたら「向きも速さも変えないで運動しつづける」という性質があるのを、手で引っぱったり、重力で引っぱったりして、その動きの向きを無理やり変えている。無理やり変えているほ…

落ちがなくてごめん!

ここの説明には、私たちの「日常感覚」とはだいぶ違うものがいくつも入っています。 まず、力を受けていない物体が、同じ方向に、同じ速さで動きつづけるというのが異様かも知れません。力を加えていなければ方向は変わらないかも知れない。でも、力を加えて…

月は地球に向かって落ち続けている話

「落ち続ける話」なんて受験シーズンには書けないね。最近は大学の秋入試とかもあって、一年中受験シーズンだったりするようですけど。 ところで、月はいつも地球向かって落ち続けているし、人工衛星も地球に向かって落ち続けている。それどこか、地球はいつ…

「ねこづくし」展

江戸東京博物館で開催されていた「江戸東京ねこづくし」展に行って来ました。江戸・東京に限らず、猫に関係する日本の風俗や文物・文学の紹介です。 そんなに展示物の多い展覧会でもないし、1時間ぐらい見て帰ろうと思っていたのですが、「猫」を自称する私…

猫展覧会と落ち続ける話

「落ちる話」の前に寄り道です。まあ、猫は落ちてもちゃんと立つ、と言いますし……。

けれどもじつは月はいまも地球に向かって落ち続けているのです

という話をするつもりだったのですが、長くなりそうなので今日はここで止めておきます。 地上では「回っているものは常に回し続けていないと回りつづけない」というのが常識です。けれども、宇宙では「回っているものは止めないといつまででも回りつづける」…