猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2008-01-01から1年間の記事一覧

今年最後の惑星に関する駄弁

『天文年鑑』2009年版を買うと、「マケマケ」という天体が加わって「準惑星」が一つ増えたそうです。う〜む、知らなかった。 と書いて、あらためて検索してみたら、細長い天体「ハウメア」もめでたく「準惑星」認定されたとのことで。知らないうちに、5つに…

アトリエそねっと、「火曜日 西 た−20b」に間借り(委託)/準惑星

お知らせが遅くなってしまいましたが、「アトリエそねっと」は、コミックマーケット75では、30日(火曜日)西 た‐20b、お酒評論サークル「アトリエそなちね」さんに間借りいたします。よろしかったらおいでくださいませ。ちなみに「そなちね」さんの新刊にも…

天文台特別公開

もはや旧聞に属しますが、国立天文台の特別公開に行って来ました。 国立天文台はとても懐かしい雰囲気のキャンパスです。武蔵野の森をその敷地のなかに抱えて、残しているようです。キャンパス内には狸が住み着いているという話も聞いたことがあります。 こ…

ホット・ジュピターはどうやってできたか

さらに前回の続きです。 COROT-exo-3b という新発見の天体についての「謎」の一つは、どうして主星(太陽系では太陽)のすぐ近くにこのような巨大な天体が形成されたかということのようです。 これはホット・ジュピターについても同じです。太陽系を標準モデ…

で、この天体はいったい何か?

もう一つ、この天体の分類でややこしいのは、たぶん、「褐色矮星並みの質量、ホット・ジュピター型の惑星としては大きすぎる密度の天体が、ホット・ジュピターと同じような軌道を回っている」ということのようです。4日と6時間という周期で、太陽よりちょっ…

系外惑星か褐色矮星か

とか書いていたら、木星とほぼ同じ大きさで、木星の20倍の質量(重さ)を持つ「褐色矮星だか系外惑星だかわかんない天体」が見つかったのだそうで: http://www.astroarts.co.jp/news/2008/10/10corot-exo-3b/index-j.shtml 英語でよかったら、元情報はここ…

褐色矮星の話の続き

前に、褐色矮星で、収縮の重力エネルギーか尽き、重水素も尽きたときにはどうなるかという話を書きました。私の目下の天文学のネタ本 福江純『大人のための科学―そこが知りたい天文学』(日本評論社、isbn:9784535600348)によると、それは輝きを発しない黒…

褐色矮星天文学

ということで、この「低温褐色矮星掃索プロジェクト」で、低温の褐色矮星が次々に発見されていくということになると、次は、「褐色矮星の分類」というような動きが出てくるんじゃないかと思います。 まずは、その、予想される「T型より低い表面温度のスペク…

「木星他人説」はトンデモか

さらに、星間雲のなかで褐色矮星が生まれるとすると、褐色矮星よりも小さい質量の「星」も生まれる――それももっといっぱい生まれそうに思うのですが、どうなのでしょう? もっとも、「ものが集まってかたまる」のには、適当な、一定の大きさがあるわけです。…

褐色矮星と惑星のあいだ

で、その表面温度280度の星の大気組成を調べると、「水」と「メタン」とかいう、地上とか、一部の惑星とかに存在するような物質があるらしい。そうなると、「褐色矮星」と「惑星」、とくに、木星型のガス惑星は、よく似たものということになってきます。 げ…

褐色矮星とは?

この「T型星」というのは「褐色矮星」なのだそうです。で、「褐色矮星」というのは: ・太陽質量の0.075倍(7.5パーセント、だね)以下、0.013倍以上の質量(重さ)を持ち ・普通の水素による核融合反応はできないが、重水素による核融合反応はできる ・惑…

「低温の星」の探索

日本を含む国際研究チームが「低温の星」の掃索プロジェクトをやっているらしい。 http://optik2.mtk.nao.ac.jp/~hide/ukidss.html そこでは、表面温度が摂氏1200度以下という星が絞り込まれ、それについて研究が行われているようです。これが、昨日の日記で…

今回主に参照したページ(恒星のスペクトル型と暗記法)

☆ウィキペディア(日本版)は: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E5%88%86%E9%A1%9E ☆スペクトル型についての、基本からの詳しい解説は: http://www.s-yamaga.jp/nanimono/uchu/kousei-3.htm ここでは、なぜ「…

最近のスペクトル型分類事情

で、このスペクトル型とは何かというと: 恒星(惑星など太陽系天体ではない普通の星)には、青白い星から赤い星までいろいろあります。その色はだいたい恒星の表面温度を反映していて、青白い星が温度が高く、赤い星が温度が低い。「真っ赤に燃える」という…

恒星のスペクトル型について

岩漫での新刊で、女子校天文部を舞台にした『ファイン・ガール』という小説を書きました(コピー本)。 で、その小説で使ったのが、恒星のスペクトル型の暗記法です。とりあえず、私が覚えていた暗記法を使いました。それは: Oh, Be A Fine Girl, Kiss Me R…

夏の豪雨

私は気分が天気に影響されやすいらしい。今週初めまで連日雨が降って、どうも調子が悪かったのですが、火曜日ごろから晴れて、それほどの「不調感」はなくなっています。でもそろそろ弛れ気味? 雨だって、農作物にとってはだいじだし、自然に生きる生きもの…

映画『スカイ・クロラ』鑑賞覚え書き(ネタバレあり)

ということで、上映館も少なくなった映画『スカイ・クロラ』を観て感じたことなどを、順不同に、いま思いついた順に書き記します。 基本的に(原作、他作品についても)ネタバレには配慮せずに書きますので、ご覧になっていない方はご注意ください。 また、…

『スカイ・クロラ』(映画)鑑賞覚え書き(ネタバレあり)

今日は盛岡市の即売会「岩漫」に参加しました。 パンフレットに予告していた新刊は落ち(当初の予定では5月のTRIP?S.P.D.に間に合うはずだった本なのに(汗))、急遽、別の新刊を作っていたら昨夜あたりまでちょっと修羅場ってしまったり。 修羅場の果てに寝…

再びヒッタイト語の話

前回、なぜ「19世紀的進化論」の話になってしまったか――というと、あのときは、東浩紀さんの「ポストモダン」論によく出てくる「近代の大きな物語」のほうに議論を向けたかったんですね。 で、今回は、その話はいちど中断することにして、ヒッタイト語の話に…

19世紀的進化論――生物的進化論と社会思想としての進化論

昨日、「力強い「ア」の音が堕落すると、口の開きかたが小さい「エ」や「オ」に堕落する」という考えはいかにも19世紀的進化論らしい考えかただと書きました。それで気がついたことです。 それは19世紀的進化論の考えかたの特徴についてです。「19世紀的進化…

ソシュールの大仕事=大業績

コミックマーケット以外のネタを一つ。 買ってしまいましたよ、『印欧アナトリア諸語概説』(大城光正、吉田和彦 著 、大学書林、asin:4475017955)。私にとっては実用性ゼロ、私が買ったために品切れになってしまったりしたら、ほんとにこの本を必要として…

コミックマーケット74お疲れ様でした+ソシュールのお仕事

コミックマーケット74お疲れ様でした。 「アトリエそねっと」のブースに来てくださった方、ありがとうございました。 しばらく、スケジュール上の問題(当日は行けても、「年末進行」と「お盆前進行」で忙しくて本が作れない)や落選で、「アトリエそねっと…

コミックマーケット74参加します

またまた消失していました、というより、イベント前にならないと湧いて出てこない清瀬です。 ということで、コミックマーケット74に参加します。 17日 西館 る‐25b 「アトリエそねっと」です。 今回は、小説本3冊と、できれば日立電鉄廃線跡についての小さい…

規律訓練のアウトソーシングとしての環境管理

東さんの自由論・権力論のポイントの一つに「近代の規律訓練型権力からポストモダンの環境管理型権力へ」というものがあります。 「ポストモダン」時代(1990年代以後)には、人間が「近代的人間」の人間的規範だけではコントロールしきれなくなって、「人間…

えーと、とりあえず告知みたいな

5月25日に、花巻市しんろう会館で行われるイベント「TRIP?S.P.D.」に「アトリエそねっと」で参加します。 昨秋、軽い気もちで書き始めた魔法ファンタジー的な同人小説がいまだに終わらないどころか中盤までも到達しないで、泥沼化しております。それの未定稿…

外国語習得で悩ましい問題

……はいろいろあるけれど、日本語が母語の人たちにとってとくに煩わしい問題……もいろいろあるけれど、その一つが「lとrの区別」だと思います。 私は、中学校で英語を習い始めて概算30年で、英語でのlとrの聞き分けはいまだにできません――自慢じゃないけど…

岩漫行きます

4月13日、盛岡市で開かれる「岩漫」に「アトリエそねっと」で参加します。 まだ本ができてなかったりするのですけど。しかも、いまだに「何を書くかが決まっていない」という困った状態で(今日10日だよ!!)。また前日修羅場……かな? 参加のしおりには「体調…

ながされないけどアイラン

ちょっと前にある人からきいた話で。 そのひとのトルコ人の知り合いが日本に来た。空港近くの売店かコンビニかで、子どもにヨーグルトを買ってきて食べさせると、味が違うので食べたくないという。それでたいそう困った――という話でした。それで、何が違うか…

東浩紀さんが『イノセンス』が嫌いな理由

さて、先日、ようやく、東浩紀さん(id:hazuma)の『コンテンツの思想』(青土社asin:4791763254)を読みました。 前に『ユリイカ』に寄稿された論文を読んだときには、東さんがどうして『イノセンス』が嫌いなのかという理由がもうひとつよくわからず、どう…

東浩紀さんが『イノセンス』が嫌いな理由

また2か月ご無沙汰してしまいました。 「今年早々に通信環境を回復させて復活する」と言いながら、なかなか実行できていません。通信環境の復活のための「先立つものがない」というのが理由で、「先立つもの」の一つは費用の負担の問題ですが、もう一つは「…