猫も歩けば...

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褐色矮星の話の続き

 前に、褐色矮星で、収縮の重力エネルギーか尽き、重水素も尽きたときにはどうなるかという話を書きました。私の目下の天文学のネタ本 福江純『大人のための科学―そこが知りたい天文学』(日本評論社isbn:9784535600348)によると、それは輝きを発しない黒色矮星になるということです。
 でも、黒色矮星というと、ウィキペディアなどを調べてみても(雑に言えば)「白色矮星の燃え尽きたもの」のようなので、「褐色矮星の燃え尽きたもの」も黒色矮星というのであれば、黒色矮星には二種類あることになりますね。
 白色矮星起源と褐色矮星起源では質量も違うはずで、白色矮星起源のほうが重いでしょう。また、褐色矮星の大気にはメタンや水などが見つかっているとのことで、大気組成が木星や「ホット・ジュピター」型惑星に似ていると推定されるわけですが、白色矮星起源のものはどうでしょう? ガス成分は白色矮星になる段階で放出してしまっていますので、低温になっても「外層大気」はほとんど残っていないでしょう。内部には、炭素、窒素、酸素などの原子はできているでしょうから、それが冷えて分子化すれば、メタンや水はできなくはありませんが、重力で収縮している内部からそういう原子が表層に滲み出て、木星型惑星と同じような大気を形成することは……あんまり考えられないのではないかな? 恒星の中心部とか白色矮星とか、ガスが押し縮められて高密度になっている状態というのは、私の想像力では「想像を絶する」感じで、ちょっとよくわからないです。