猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ホット・ジュピターはどうやってできたか

さらに前回の続きです。 COROT-exo-3b という新発見の天体についての「謎」の一つは、どうして主星(太陽系では太陽)のすぐ近くにこのような巨大な天体が形成されたかということのようです。 これはホット・ジュピターについても同じです。太陽系を標準モデ…

で、この天体はいったい何か?

もう一つ、この天体の分類でややこしいのは、たぶん、「褐色矮星並みの質量、ホット・ジュピター型の惑星としては大きすぎる密度の天体が、ホット・ジュピターと同じような軌道を回っている」ということのようです。4日と6時間という周期で、太陽よりちょっ…

系外惑星か褐色矮星か

とか書いていたら、木星とほぼ同じ大きさで、木星の20倍の質量(重さ)を持つ「褐色矮星だか系外惑星だかわかんない天体」が見つかったのだそうで: http://www.astroarts.co.jp/news/2008/10/10corot-exo-3b/index-j.shtml 英語でよかったら、元情報はここ…

褐色矮星の話の続き

前に、褐色矮星で、収縮の重力エネルギーか尽き、重水素も尽きたときにはどうなるかという話を書きました。私の目下の天文学のネタ本 福江純『大人のための科学―そこが知りたい天文学』(日本評論社、isbn:9784535600348)によると、それは輝きを発しない黒…

褐色矮星天文学

ということで、この「低温褐色矮星掃索プロジェクト」で、低温の褐色矮星が次々に発見されていくということになると、次は、「褐色矮星の分類」というような動きが出てくるんじゃないかと思います。 まずは、その、予想される「T型より低い表面温度のスペク…

「木星他人説」はトンデモか

さらに、星間雲のなかで褐色矮星が生まれるとすると、褐色矮星よりも小さい質量の「星」も生まれる――それももっといっぱい生まれそうに思うのですが、どうなのでしょう? もっとも、「ものが集まってかたまる」のには、適当な、一定の大きさがあるわけです。…

褐色矮星と惑星のあいだ

で、その表面温度280度の星の大気組成を調べると、「水」と「メタン」とかいう、地上とか、一部の惑星とかに存在するような物質があるらしい。そうなると、「褐色矮星」と「惑星」、とくに、木星型のガス惑星は、よく似たものということになってきます。 げ…

褐色矮星とは?

この「T型星」というのは「褐色矮星」なのだそうです。で、「褐色矮星」というのは: ・太陽質量の0.075倍(7.5パーセント、だね)以下、0.013倍以上の質量(重さ)を持ち ・普通の水素による核融合反応はできないが、重水素による核融合反応はできる ・惑…

「低温の星」の探索

日本を含む国際研究チームが「低温の星」の掃索プロジェクトをやっているらしい。 http://optik2.mtk.nao.ac.jp/~hide/ukidss.html そこでは、表面温度が摂氏1200度以下という星が絞り込まれ、それについて研究が行われているようです。これが、昨日の日記で…

今回主に参照したページ(恒星のスペクトル型と暗記法)

☆ウィキペディア(日本版)は: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E5%88%86%E9%A1%9E ☆スペクトル型についての、基本からの詳しい解説は: http://www.s-yamaga.jp/nanimono/uchu/kousei-3.htm ここでは、なぜ「…

最近のスペクトル型分類事情

で、このスペクトル型とは何かというと: 恒星(惑星など太陽系天体ではない普通の星)には、青白い星から赤い星までいろいろあります。その色はだいたい恒星の表面温度を反映していて、青白い星が温度が高く、赤い星が温度が低い。「真っ赤に燃える」という…

恒星のスペクトル型について

岩漫での新刊で、女子校天文部を舞台にした『ファイン・ガール』という小説を書きました(コピー本)。 で、その小説で使ったのが、恒星のスペクトル型の暗記法です。とりあえず、私が覚えていた暗記法を使いました。それは: Oh, Be A Fine Girl, Kiss Me R…