猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

系外惑星か褐色矮星か

 とか書いていたら、木星とほぼ同じ大きさで、木星の20倍の質量(重さ)を持つ「褐色矮星だか系外惑星だかわかんない天体」が見つかったのだそうで:
 http://www.astroarts.co.jp/news/2008/10/10corot-exo-3b/index-j.shtml
 英語でよかったら、元情報はここ:
 http://www.esa.int/esaMI/COROT/SEM0GG9FTLF_0.html
 英語ページでは、褐色矮星のことを failed star と表現しているのがおもしろかった。「星になり損ねた星」ですね。一時期、「failed state(s)」とかいう表現があったよねぇ。
 つまり、「星」を基準にして、それに失敗すると褐色矮星になると考える。もうちょっと具体的に言うと、質量が十分で水素の核融合を起こせるのがともかくも「成功した星」で、普通の核融合を起こせないと「失敗した星」として「褐色矮星」になるわけですね。
 系外惑星を見つけるのと、星震=「星の地震」を観測して星の内部構造を探るののために打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関ESAの人工衛星COROT(たぶん「コロー」と読むのでしょう)が、見つけたのだそうです。で、新「惑星か褐色矮星かわからない星」の名まえは COROT-exo-3b とのことです。
 って、コローっ画家だよねぇ?――と思って英語ウィキペディアを見ると、「宇宙プロジェクトのほうは大文字のCOROTを見てくれ」と書いてあった。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Jean-Baptiste-Camille_Corot
 ついでに、日本語ウィキペディアの画家コローはここ:
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%90%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%A6%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%BC
 前にもジョット(ジオット)ってハレー彗星探査機がありました。このひとも画家ですね。ヨーロッパの探査機ってなんかこういう名まえつけるよね。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88(「ジョット」の曖昧さ回避のためのページ)
 さて、ESAのページによると、この「木星質量20倍」というのがまず独特(unique)らしい。これまで、木星質量の12倍の「惑星」と70倍の「星(褐色矮星)」は見つかっているが、その中間の質量の「星と惑星のあいだの天体」はこれまで見つかっていなかったそうです。
 あと、大きさが木星程度ということで、その平均密度は「鉛の倍」(ESAのページ)「巨大な金塊」(アストロアーツのページ)に相当するんだそうです。なお、どうやってこの天体の大きさを計測したのかが私にはよくわかりません。英語をていねいに読むと書いてあるのかも知れないけど。ドップラー効果の計測では質量しかわからないはずなので、恒星面通過の減光で、ということなんでしょうね。