猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2011-01-01から1年間の記事一覧

コミティアお疲れ様でした

いまさらではありますが、コミティアお疲れ様でした。 先週は主として仕事がいろいろあって、サンシャインクリエイションのご報告も載せられませんでしたし、COMITIA98の予告も出せませんでした。 10月後半は、16日の関西コミティア、23日のサンシャインクリ…

訂正そのほか疑問点とか

ところで、その『WWF No.44 特集『魔法少女まどか☆マギカ』』の裏表紙のラテン語「謎の白い液体の正体は?」: Quis verum est liquor album aenigmatis? の album は明確にまちがいですね〜。Liquor が男性なので albus でないといけません。「白」って…

ご無沙汰しました

と、恒例のごあいさつを……。 前回の投稿は夏のコミティアの直後でしたが、今回は事前告知できました。前日ですけど。 明日10月23日のサンシャインクリエイション53(池袋サンシャインシティ ワールドインポートマート&文化会館4階 11:00〜15:30)に参加しま…

今後の予定

今回、自分が売っていた本を読むと、あとがきに「夏には完成したものをお持ちできると思います」と書いたものがいっぱい……。う〜む、「アトリエそねっと」では「マニフェスト」とか「工程表」とかがまったく実現していません。困ったものです。 5月のコミテ…

会場BGM

コミティアというと会場BGMが楽しみだったりして。 私の知らない曲ばっかり、ということもあるのですが、昨年の夏のコミティアでは、1980年代、私が好きだったスタイル・カウンシルの曲がかかったりして、思わず「青春の記憶」がよみがえったりして。 今…

新刊のこと、それをきっかけに考えたこと

今回の「アトリエそねっと」の新刊『月が昇るまでに』は、漁村に引っ越してきた少女の出会いと冒険とちょっと別れのひと夏(〜秋)の物語です。 7月に出した、漁村を舞台にした時代物『荒磯の姫君』(未完、というより最初の部分だけしかない)の続篇……とい…

COMITIA97に行ってきました

COMITIA97にサークル参加してきました。参加者のみなさま、とくに隣接サークルの方がた、主催者のみなさま、ほか関係各位にはたいへんお世話になりました! ありがとうございました。 ……って、イベント参加って告知を先に出さないとだめなのでは……? 今回は…

リンク

著者 渡邊大門 さんのホームページ: http://daimon.sengoku-jidai.com/ 拝見すると、今年に入ってすでに単著(本)を4冊、論文・記事なども含めると、すごいペースで、しかも一般向けメディアから専門書・専門雑誌まで、幅広く業績を発表しておられます。ほ…

「百年戦争」の後に

ところで、この『戦国誕生』では、幕府から守護の職をもらっても、実力でその国に入ることができなければ支配ができないとか、兄弟で親の持っていた地位を争うとか、なんか最近そういうの読んだな、『英仏百年戦争』で――という話がいっぱい出てきます。考え…

「実体」・「権力」に合った「形式」・「権威」とは?

鎌倉時代の守護が、室町時代には力をつけて守護大名になり、やがて戦国大名が登場してくる。私は学校ではそういうふうに習ったと思います。しかし、実際には、それぞれの家や領国についてみれば、「守護大名」から戦国大名へと順調に発展した例はあまり多く…

「幹部」層の弱み

そんなわけで、あんまり有能じゃないトップが強い権力者意識を持ったことが、室町幕府を混乱させる要因になるわけですが、じゃあ、「将軍は動かなくても幕府は動く」という仕組みのほうはどうだったのか? ――というと、これがまたあまり安定していなかった。…

トップが無能なのに政治に意欲的だとどうなるか

まず、この本で斬新だったのが、義政時代の足利将軍家の人びとの実像です。 足利義政は政治嫌いで、政治から逃避するために銀閣を作って、混乱する政治をよそに自分の趣味に生き、そこで奥さんの日野富子が大きな権力をふるった――みたいな見方がある。少なく…

渡邊大門『戦国誕生』講談社現代新書、isbn:9784062881067

日本の「戦国時代」が「どう終わったか」ではなく、「どう始まったか」に注目した本です。 普通は、室町幕府の将軍足利義材(よしき)(のち義稙(よしたね))がクーデターで失脚した1493年の「明応の政変」か、北条早雲(伊勢宗瑞)が幕府の出先であった堀越公…

こんどは日本の「百年戦争」時代について

ご無沙汰いたしました――と、また恒例のごあいさつからはじめなければなりません。 それと、暑中お見舞い申し上げます。立秋は8日、立秋を過ぎると暑中ではなくなるので、「暑中」は明日(7日)までですね。(夏の)土用も明日までです。 同人サークル WWF…

「いまのような国」への第一歩

もちろん、百年戦争の決着がついたからと言って、イギリスとフランスがすぐに「いまのような国」(国民国家)になったわけではありません。フランス王家が15世紀の末にいまのフランスの領域に当たる領土から反抗的な諸侯を一掃して国家統一をなし遂げるまで…

しかし終わったときには「国」どうしの戦争だった

だから、「百年戦争」は、フランス王と、イギリス王の地位を持つフランス諸侯とが、「家の財産」の取り分を争う戦争として始まった。要するに、フランスの王侯貴族どうしの戦争だったわけです。イギリスとフランスの戦争ではなく、そのフランスの諸侯の一方…

「家の財産」としての王位・諸侯の位・領地

こういう状況を理解するためには、二つのことをわかっておく必要があるでしょう。 まず、フランスの「〜〜公」とか「〜〜伯」とかいう諸侯は、形式としてはフランス王の臣下なのだけれど、だからといってフランス王の言うとおりに動くとは限らない存在だった…

「イギリス王」はフランスの諸侯だった

そんなわけで、アンジュー伯とかノルマンディー公とかアキテーヌ公とかいうフランスの諸侯(大名)を兼任しているイギリス王の支配するイギリス(この時代はイングランドのみ)と、フランス王のフランスの戦いが百年戦争――ということになるわけですが、これ…

「イギリス史」と「フランス史」からの百年戦争

まず、普通に理解されている「イギリス史」と「フランス史」で、百年戦争の概略を説明すると――。 イギリス(イングランド)王がフランスに領土を持つことになったきっかけは、1066年の「ノルマンの征服(ノルマン・コンクェスト)」だった。イギリスを征服し…

佐藤賢一『英仏百年戦争』集英社新書、isbn:9784087202168

教科書的には、1337年に始まり、1453年に終わったとされる、イギリスとフランスの「百年戦争」の歴史について書かれた本です。 著者の佐藤賢一さんは、作家ですが、この本に出ている経歴によると、東北大学の文学系の大学院の課程(たぶん博士課程)を最後ま…

TRIP?Strike行って来ました

また3か月ほど沈黙していました。申しわけありません。 そんなことで、ほんとうにいまさらなのですが、これが震災後初の日記になります。 あらためまして、震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。消息のわからない方のご無事を、そして早く連絡がつ…

駄作の山から傑作は生まれる

去る2月26日にイベント「Howling in the Night 2011 押井守、《戦争》を語る」に行って来ました。今年で晴れて(ほんと晴れた。会場からスカイツリーが見えたんだけど、まだ建造中だけあって、日が暮れちゃうと思いのほか目立たないですね)10回めということ…

宇野常寛さんの問題意識について

とくに、この座談会で宇野さんの提起している問題は私は重要な問題だと思うんですけど。 宇野さんの『ゼロ年代の想像力』は、全体としては私にはよくわからない本だったので、私には宇野さんの問題意識はよくわからないし、正直に言えばあまり関心もない。た…

「自然」的な都市に人間はどう向き合うか?

もう一つの基本線は、それとは対照的に、人間による意図や計算が入りこまなくては都市はできないということです。 都市が「自然」としての性格を持つと行っても、そこに建築物を造るのはやっぱり人間である。とくに建築物を造る上では建築家の役割が大きい。…

座談会の「時間と場所」の感覚

ところで、私が「都市」というのは一種の自然であるという見かたを知ったのは、imaginary press inc. の同人誌ででした。1990年代初めのことだったと思います。盛んに「建築探偵」をやっていたころの藤森照信さんの仕事を参照しながら作られた同人誌で、「こ…

「都市」の「自然」的性格

その「流れ」の基本の一つは、「都市」という場が一種の「自然」であるということです。 「自然」というのは、森があって、川が流れていて、空気がきれいで……とかいうことではなく、「自分で勝手に成長し変化する」という意味です。もちろん人間がいて、人間…

東浩紀・北田暁大(編)『思想地図 vol.3』日本放送出版協会、isbn:9784140093443

2年前の5月に出た『思想地図 vol.3 特集:アーキテクチャ』の最初の座談会「アーキテクチャと思考の場所」だけ読み終わりました。座談会の参加者は、講演者が濱野智史さんと宇野常寛さん、討論者が司会も兼ねた東浩紀さん、建築家の磯崎新さん、浅田彰さんと…

民主政治ってそんなもの?

さて、完全に「持ち出し」のうえ、苦労して多大な功績を上げても、些細な欠点をあげつらわれて非常に苛酷な刑を押しつけられる民主政治の場で、どうして競って政治指導者を目指す人たちがいたのか、です。 著者はその理由を「名誉」だと言います。その前提と…

アテネ史・古代ギリシア史の意外な側面

その本筋の部分以外でも、この本は古代アテネ史・古代ギリシア史の、私がこれまで知らなかった側面をいろいろと明らかにしてくれます。 まず、アテネの民主政治というと、男性市民のだれもが投票権を持った徹底した直接民主制というのがたてまえです。そうい…

澤田典子『アテネ民主政』講談社選書メチエ、isbn:9784062584654

再び古典時代ギリシアものです。 アテネ(アテナイ、アテーナイ)がクレイステネスの改革で「民主化」してから、マケドニアのアレクサンドロス(アレクサンダー)大王の後継者争いに巻きこまれてその民主政治が終わるまでの時期を、それぞれの時代の代表的政…