2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
『中先代の乱』(中公新書)についての感想の「連載」の途中ですが、益川敏英さんの訃報に接しましたので、益川さんのことについて書きたいと思います。 もっとも、益川さんの社会活動については私はよくわからないので、その物理学上の功績のお話が中心です…
この本の最大の特徴は、その中先代の乱を、建武の新政の時期から南北朝時代にかけて続く「北条与党」の反乱のなかに位置づけたということではないかと思います。 「北条与党」というのは、北条氏の人びととその家臣(被官)をまとめたものです。現在の感覚だ…
北条時行は、信濃の諏訪大社の神官一族にかくまわれていました。この時行が反乱を起こし、信州から碓氷峠を突破して荒川の西側を南下、小手指、府中(武蔵国府)から多摩川を渡って鎌倉に至っています。現在の鉄道線路は東京(江戸)を中心にできているので…
中公新書の「中世の乱」シリーズが、呉座勇一『応仁の乱』、亀田俊和『観応の擾乱』、坂井孝一『承久の乱』と来て、その最新刊として鈴木由美『中先代の乱』(中公新書、2021年)が刊行されました。「中世の乱」シリーズというのかどうか知らないけど……。 建…