猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

大失敗は少し慣れたころにやってくる

 これまでは、毎年、8月の半ば以降から9月初めというのはわりと仕事がひまな時期だった。もちろん、忙しいということだけ言えば、8月中ごろまで毎年すごい多忙を極めていて、いつも寝不足の顔をさらしていたけれど、それは、ひとえにコミケのせいである。
 ところが、今年はなんか8月からずっと忙しい。コミケには今年は参加しなかったのにだ。忙しいのは、たしかに、『かみちゅ!』聖地を訪ねて尾道に行ったり、つくばエクスプレスに乗りに行ったり、日立電鉄廃線跡を訪ねて日立に行ったりしていたからでもあるけど、それを別にしても仕事がけっこう忙しいのだ。
 で、そんななか、今日は朝の航空便(ちなみにコッポラちゃん……じゃなくてANAです)で札幌に行き、むかしの知り合い(というか大学の先輩)に会って日帰りで帰ってくる予定を立てていた。ほんとうはもっと滞在したいのだが、スケジュール上、それがぎりぎりである。で、朝5時に起きて空港にはちゃんと行ったのだが、平均睡眠時間が3時間を切るという生活をしばらく続けていたものだから(『かみちゅ!』と『苺ましまろ』を見なければ睡眠時間がもうちょっと増えたかも、ということはおいといて)、寝ぼけていて、予約していたチケットを買っただけでチェックインするのをすっかり忘れていた。それで、「早く行ってもどうせ行列に並ばないといけないんだから、ぎりぎりに搭乗口に行けばいいや」と油断して出発10分前ぐらいにセキュリティーチェックの列に並んだ。そんなに混んでなかったし。で、まあ当然ながら、検査員のおねえさんに「このチケット、チェックインしてませんよ」と指摘された。
 出発ぎりぎりの時間だから搭乗手続きなんかもう終わっている。それでも出発前だったのでカウンターでキャンセルはできて、席が空いている便に振り替えはできたのだが、その次で席に空きがあるのは夕方近くの便だという話だ。日帰りなのにそれでは話にならない。キャンセル待ちをすれば空席が出るとも言われたけれど、眠いのをがまんして待つ気にもなれないので、その先輩に電話して札幌行きを取りやめ、帰ってきた。で、うちに帰ってきて爆睡し、起きたらちょうどその空きがあると言われた飛行機が飛び立つ時間になっていた。
 私はよほどのことがないと国内線の飛行機には乗らない。いろんな理由があって、一つは私が鉄道好きで、飛行機に乗るくらいなら寝台列車に乗る――寝台列車はだいたい赤字だし――というポリシーでいることがある。あと、20年前の日航機墜落事故の衝撃が強かったからということもある。事故自体も衝撃的だったし、身辺に巻きこまれたひとはいなかったのだけど、それでも家族が大きな衝撃を受けて、この事件からしばらく家の雰囲気が暗くなった。事故に遭遇したらひとがこんなに悲しむのなら、乗るのはやめようと思ったのだ。
 でも生活が忙しくなるとそんなことは言っていられなくなる。札幌に鉄道で行くと、新幹線と特急を乗り継いでも一日がかりになるので、飛行機で行くしかない。
 ネットで予約して直接にチェックインする方法は、少し前に友人に教えてもらって知ったところだ。そのあと、何度か自分でやってみて、それで慣れたつもりになっていたのがまずかった。やっぱり大失敗というのは「少し慣れた」という頃合いに起こるものです。気をつけましょう。
 まあこれは完全に私のミスなんだけど、予約したチケットを買うだけの機械とチケットレスでチェックインする機械を並べて置かないで欲しいなと思ったりもする。