猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

新発見の系外惑星は「近頃の若いやつ」らなのか?

 だから、フォーマルハウトの惑星やHR 8799 の惑星系では、太陽系ではあり得ないほど中心星から離れたところで巨大惑星が形成されたわけです。それだけ原始惑星系円盤に含まれている物質が多かったということでしょうか。
 「原始惑星系円盤は時間が経つと消滅する」と考えると、フォーマルハウトや HR 8799 は「若い星」なのでしょう。太陽はできてから45億年ですから、まあもう「若手」とは言えない存在です。太陽系が生まれてから宇宙では超新星や惑星状星雲がさまざまな物質をまき散らしましたから、「塵」になるような物質の分量は増えているはずです。
 だとすると、太陽が若かったころは、海王星軌道ぐらいまでしか惑星を作ることができなかった。それぐらいの物質の「豊かさ」しかない原始惑星系円盤しかできなかった。でも、いまの若い星たちは、ずっと遠くでも惑星が作れるくらいに物質が集まる、大きくて豊かな原始惑星系円盤を持つことができるということなのでしょうか?
 つまり、太陽系は、まだまだ「ものがなかった時代」に生まれた惑星系で、いま生まれつつある惑星系は「ものが豊かな時代」の惑星系だから、生まれ育つ時代の「ものの豊富さ」が違う、ということなのでしょうか? 太陽系の惑星は、「わしらが小さいころはまだまだものが足りなかったのじゃ。近頃の若い惑星と来たら、小さいころからものにめぐまれておるから苦労を知らなくてよいのう〜」と嘆くオジサンたちのような立場なのかな?
 だから、太陽系の惑星と同じ条件で惑星が生まれている場所を見るためには、40億光年とか50億光年とかの遠くで惑星を見つけなければいけないわけですが……それはまだまだ難しそうだな。いま「直接撮影」できているのはせいぜい100光年単位の遠さまでだから。従来の方法であるトランジット法やドップラー法でも、何十億光年という遠くの銀河の個々の星の光を見分けて、そのわずかな変化をとらえなければいけないので、けっこう難しいと思います。
 あら、この話題もまだ続きそうになってしまいました。まだ途中のロックの話はどうしよう……。