猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

ダークマターと超対称性粒子

 「超対称性」があるとしたらさらに都合のよいことがあって、それは、「超対称性」粒子、つまり、光子に対する「フェルミオンの光子=フォティーノ」とか、重力子に対する「フェルミオン重力子=グラビティーノ」とかの存在で、宇宙に存在する「ダークマター=見えない物質」が何かという問題が解決する……かも知れないということ……らしいです。
 「ダーク」は、「見えない」、「見えないので何だかよくわからない」ということで、「暗い」ほうはともかく「黒い」ではないですね。「光」というと電波やエックス線なども含むので、電波望遠鏡でもエックス線観測衛星でも見えないということです。だから、「暗黒物質」より「絶対透明物質」と言ったほうが実質には合っている。闇の中だと「黒い」ものは見えにくいけれど、明るいところだと「黒い」ものは見えてしまう。でも、ダークマターは、暗くても見えないし、明るくても見えない。
 あと、「ダーク」というと「怪しい」という語感があり、「マター」は「物質」であると同時に「問題」でもある。カイシャなんかで「これは人事のマターじゃなくて経理のマターだ」とかいう言いかたをします……よね?(うちだけ?) 「問題」というより「用件」、「一件」というほうが近いでしょうか。でも、「経理のマター」というと「経理で処理すべき問題」だから、「問題」でいいのか。ともかく、「ダークマター」というと「怪しい問題」という意味にもなるんだそうです。
 で、立ち食いや居酒屋のスタンドで「ダークになる」というと「体を斜めにして場所を詰める」ことなんだそうです。それは、昔の男声コーラスグループのダークダックスが、たぶん当時は4人のメンバーに対して一本しかマイクがなかったので、マイクの前で体を斜めにして詰めて歌っていたことから来た呼びかたなんだそうで、最初は「大阪の独特の呼びかた」と聞いたのですが、東京の下町の居酒屋でも使うらしい。いずれにしても、私自身は店の人に「混んできたのでダークになってください」と言われたことはありません。だとすると、「ダークマター」は「斜めになって詰め合っている物質」ということになるのだけど……そうなのかな? まあ、これは英語では通じない意味ですね。
 ともかく、「光(電波もエックス線も含めて)では感じられない=目(望遠鏡とか赤外線望遠鏡とか電波望遠鏡とかエックス線観測衛星とか)には見えない」物質で、でも「質量(重さ)だけはある」物質の条件に、この「超対称性」粒子はあてはまる。
 「超対称性」粒子は、本来は質量や電荷などがその「超対称性」の相手と同じくらいだと考えられるらしい。つまり、光の粒子である普通の光子は質量(重さ)がゼロなので、「フェルミオンの光子」である「フォティーノ」もゼロのはずだし、「弱い相互作用」を媒介するW粒子の相手方の「ウィーノ」もW粒子と同じ質量と電荷を持っているはずです。ところが、ここでまた出てくるのが例の「対称性の破れ」で、その「対称性の破れ」のせいで「超対称性」粒子はみんな巨大な質量を持ってしまっている。私にはもうなんかよくわからないのだけれど、たぶん、「電弱統一」相互作用を電磁相互作用と「弱い相互作用」に分けたヒッグス粒子みたいなのがあって、それが、私たちの知っている物質は素通りさせるけれど、「超対称性」粒子の足は引っぱる――みたいなことで、大きな質量を持ってしまっているということなのでしょう。