猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

いちおう『紅の水晶』の宣伝

 それで、今回、前半部分だけとはいえ出したので、『紅の水晶』の宣伝をいちおうしておきます。
 二十歳ちょっと前ぐらいの傭兵の少女のお話です。
 主人公が女性で、武芸の持ち主で、架空の世界で、固有名詞がカタカナで、出てくるのが『黄昏の大地』が女公で『紅の水晶』が公女で(「公女」か「王女」か迷ったんですが。いまも迷っています)、細かいことをいうとその世界の宗教が多神教で……ということで『黄昏の大地』と似ていたりするんですが、主人公の年齢が違い、また『紅の水晶』のほうは基本的に魔法のない世界を描いています。
 これを書くことにしたきっかけは、昨年、WWFさんで「武器と少女」という特集をやったことでした。そのときに最初に考えたプランが「では、武器使いの少女の話を書いて、そのとき感じたことをまとめてWWFに投稿しよう」というものでした。『黄昏の大地』は「武器使いの少女の話」とは言い難いので、新たにプロットを作って書こうと。でも、そのときには、設定は作ったものの物語はぜんぜん書けませんでした。それで、WWFさんには台湾の女神信仰の話を書いて寄稿して、そのまま設定が残っていたのです。それをそのままにしておくのも惜しいので、今年の冬ぐらいに出せるように完成させようと書き進めていました。
 途中で発表してしまったので、いろいろな検討がまだのままです。したがって、次に出すときにはいろいろ変わってしまう可能性があります。よろしくお願いします。
 とくに検討事項として何とかしないとと思っているのが固有名詞です。私は「母音始まり(しかもたいてい「ア」か「エ」)で「チャ行」か「ジャ行」が入っている固有名詞が好きらしく、ほうっておくとなんかそんな名まえばっかりになってしまいます。
 リチャードとかヨハネスとかジャンヌとかエカチェリーナとか、実在の固有名詞を使うという方法もあるんですが、そうするとヨーロッパ色が強くなってしまうように感じられて、私自身はあんまりやりたくない。ほかの人の書いたものを読むときなら抵抗ないんですけどね。といっても「ヨーロッパ風」から離れた固有名詞も私のばあいはなかなか口慣れないので使いにくく、困ったところです。
 まあ、実際の世界にだって紛らわしい固有名詞はたくさんあるわけですから、それでいいことにしてしまってもいいのですが、検討を続けたいと思っています。
 このお話では「戦国時代」的な時代を書きたいと思っています。日本の戦国時代に限らず、中国の春秋戦国の戦国時代とか、ヨーロッパの三十年戦争ぐらいの時代とか。
 そのどれも、戦乱の時代であるとともに技術革新の時代で、世界観の変わっていく時代という面がある。17世紀ヨーロッパというと、三十年戦争もあり、イギリス革命もあり、いろいろたいへんなことがあったわけですが、その同じ時代にガリレオがはじめて望遠鏡で天体観測したり、ニュートン古典力学を体系化したりしている。そういうところも描いてみたいなと思っています。