猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2010-09-17から1日間の記事一覧

「段階論」以外の考えかた

しかし、佐藤さんによると、素粒子物理学でも「段階論」以外の考えかたもある。その一つは、起こってしまった現象から何が起こったかを考える観想的な立場で、量子力学の基本を作ったうちの一人、ニールス・ボーアの立場がそれにあたるということですが……こ…

「段階論」という発想

そこで、科学者であり、マルクス主義者でもあった武谷三男というひとが「三段階論」というのを唱えた。自然認識は「現象論→実体論→本質論」と段階を追って進む。段階を飛ばしたら失敗するという考えかたです。 これは、当時のマルクス主義の革命理論と同じ性…

「文系」・「理系」が分かれる以前の「科学」

マルクスが思想家として登場した1840年代ごろというのは、「科学」(サイエンス。むしろ「知」というほうが近いと思いますが。「知」ってこなれないことばなので私はあまり使わないけれど)が「人間・社会についての科学」と「自然についての科学」が分離す…

マルクス主義が「宇宙的」に正しかった時代

いまとなっては、マルクス主義はせいぜい社会についての理論にすぎません。しかもその「正しさ」感は失われています。「マルクスを再評価しよう」とがんばっている人は何人もいますが、「マルクス主義」の評価はよくない。マルクスの再評価に取り組んでいる…

「思想としての理論物理学」論

この『破られた対称性』の特徴は、理論物理学の思想的背景について深く触れているところだと思います。 20世紀の日本の素粒子物理学に大きな影響を与えたのが名古屋大学の坂田昌一という研究者で、この坂田昌一はマルクス主義の影響を強く受けた研究者だった…

「アトリエそねっと」岩漫61に参加します

9月19日(日)に盛岡市サンビルで開催される 岩漫61 に参加します。 新刊として予定していた『黄昏の大地』第三巻は諸般の事情で(≒仕事が予想以上に忙しくなったため)刊行延期にしました。つまり落ちました。すみません。11月のコミティアで当選すればその…

「思想としての理論物理学」

今回も佐藤文隆『破られた対称性』についてです。でも、その前に、まずお知らせです。