猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

井田茂『異形の惑星』(isbn:4140019662)つづき

 ちょっとしろうとっぽい疑問を。たぶん専門のひとはこれぐらいのことは考えてモデルとか理論とか作ってるんだろうとは思うけど。
 まず、原始太陽系(太陽系に限らず、恒星のまわりの惑星系)円盤形成時に、メートルサイズの塵というかかたまりがどうしても太陽に落下してしまうという問題なんだけど、糊みたいなねばっこい物質があったらそれでくっついて固まってしまうというのはダメかな。ってダメなんだろうな。だいたい、ねばっこい物質でも、真空中ではすぐ揮発してしまうよね。
 もうひとつ、原始太陽系円盤ですき間ができて、そこに原始惑星がはまりこむという話が出てくる。ところで、実際にわりと近くに(といっても9〜10天文単位ほど離れていますが)観察できる円盤というと土星の輪がある。で、この土星の輪には、探査機の名まえになったカッシーニの間隙とかほかにもいろんな「間隙」がある。原始太陽系円盤でも、外側に大きい惑星ができたら、その影響でところどころに「間隙」ができてしまうということはないのかな? だとすると、外側の惑星の影響で「間隙」ができ、外側の惑星のほうでガス・塵が消失して外側の惑星が中心星(太陽系だと太陽)へ落ちるのが止まり、そしてその「間隙」にはまりこんだ惑星の落下も止まるというシナリオが考えられ、そうするとかんむり座ロー星型の「セミホット・ジュピター」または「ウォーム・ジュピター」の「落ち込み」も説明できないことはないかも知れない。でも、こんな可能性はすでに検討されているんだろうな。
 あと、「羊飼い惑星」的な原始惑星にはさまれた原始太陽系円盤の一部が細いリング状に残るということもあるかも知れないけど、これは惑星系形成にはあまり影響しないかも知れない。