猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

COMITIA118に参加します

 告知がぎりぎりになってしまいました。
 10月23日のCOMITIA118にサークル参加します。
 アトリエそねっと O56b です。よろしくお願いします。


 今回の新刊は小説『夏の一日』です。
 『荒磯の姫君』現代篇第三作です。
 『荒磯の姫君』に描かれた江戸時代の宝暦年間(1851〜1864年)の事件は遠い過去のできごととなり、なかでも、お姫様をめぐる物語は人びとのあいだに語り伝えられるだけの伝説と化してしまった。
 その街で、夏のある朝、とつぜん空に黒い煙がわき上がった。憶測が飛び交い、あたりは騒然となるが、それは住宅建設現場での陥没事故で舞い上がった大量の煤とほこりだった。しかし、なぜ地下からそんな煤とほこりが? 事件は、いまだに250年前のできごとをめぐる伝説にとらわれる人びとを引き寄せ、結び合わせ、すれ違わせる……。
 上下2冊で、上巻400円、下巻300円です。ある日の午前9時過ぎから始まって、その日の夜の12時を少し過ぎるまでのあいだのできごとを書いただけなんですが、なぜか合計500ページに達してしまいました。


 『荒磯の姫君』(2013年刊)のできごとは現在まで伝わっていない、ということになっていますので、基本的にネタバレは起こりません。でも、ぜんぜん起こらないかというと、『荒磯の姫君』のカタキ役の悪家老が最後にどうなる、というような話は出て来ますので、それも避けたい方は『荒磯の姫君』からお読みいただければと思います……って3冊あるんだよね(汗)。
 「本の杜10」のアンソロジー『杜の本棚』に寄稿した「史料批判」をもとにしているのですが、設定は一部分変わっています。もともと「本の杜10」記念のために書いていたのですが、間に合わず、「本の杜10」では上巻の途中までを一冊にして無料配布しました。


 同じ『荒磯の姫君』現代篇の第二作『夜風』もお持ちします。こちらも基本的に相互にネタバレは起こりません(これも、登場人物が一部共通しているので、まったく起こらないわけではありませんが)。なお、現代篇第一作『月が昇るまでに』はまだ文庫版の版組み作業中です。
 そのほか、小説『冬のスケッチ』(合唱部の少女の一冬の物語)、小説『シエスタ』(真夏に中学生の少女たちがただだらだらするだけの物語)、宮沢賢治関係の評論集『土地の魔法』、小説『もしも魔法が使えたならば』(魔法のない普通の世界の「魔法少女部」の少女たちの物語)をお持ちします。
 そういえば、今回のコミティアでは、会場内企画として『この世界の片隅に』の片渕須直監督とこうの史代さんの対談が企画されています(聴きに行きたい! けど無理だな…)。『土地の魔法』では、昨年の「イーハトーブアニメフェスティバル」での片渕監督のお話についても触れていますので、よろしかったらぜひご覧ください。