猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「コモンウェルス」の「都市」性

 ひきつづきジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』の後編についてです。
 ジョン・ロックのばあい、「コモンウェルス commonwealth 」は古典時代ギリシアの都市 polis をモデルにしていると書きました。
 ギリシアの「ポリス」はまさに「都市」だし、それに相当するラテン語の「キウィタス civitas 」も「都市」です。だから、コモンウェルスも、都市そのものかどうかは別として、「都市的な場」が想定されて構想されているといえそうです。
 社会契約論という考えかたは、もともと「都市」という場を背景にして成立する政治論だと私は思っています。