猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-05-22から1日間の記事一覧

続き

この回は、「「自由」対「専制」という図式はどこでできたか?」 http://d.hatena.ne.jp/r_kiyose/20090601 へ続きます。

「文明」、都市、社会契約

そして、日本語で「文明」と訳されている civilisation(civilization) は、もともと「 civil になること」という意味です。「civil」は、前に書いたように都市 civitas (キウィタス)の形容詞ですから、「文明」とは「都市的になること」……のはずです(英語…

「都市的な国家での政治」の構想

ともかく、人間が「都市」に住むようになり、「自然の猛威」から遠ざかる一方、「人間どうしの交わり」が人間生活の基本になると、「自然状態」のままではいられなくなります。それが「社会状態」なんだと考えればよい。 「社会状態」では、「自然状態」が「…

「人間と人間の交わり」が主要な社会

けれども、私は、それよりも、人間が都市に住むようになって(または住んでいるところが都市的な場所に変化して)、「人間と人間の交わり」が人間生活の多くの部分を支配するようになることが「社会状態への移行」だと考えるのがいいと思います。 つまり、「…

「社会契約論」の枠組み

ホッブズ、ロック、ルソーの「社会契約論」は、内容はそれぞれ大きく違いますが、 ・人類は、いまや、進歩・進化して「自然」状態から「社会」状態へと移った、または移りつつある; ・その人類には、「自然」状態のままの支配ではなく、「社会」状態に適し…

「コモンウェルス」の「都市」性

ひきつづきジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』の後編についてです。 ジョン・ロックのばあい、「コモンウェルス commonwealth 」は古典時代ギリシアの都市 polis をモデルにしていると書きました。 ギリシアの「ポリス」はまさに「都市」だし、それに相…