猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「社会契約論」の枠組み

 ホッブズ、ロック、ルソーの「社会契約論」は、内容はそれぞれ大きく違いますが、
 人類は、いまや、進歩・進化して「自然」状態から「社会」状態へと移った、または移りつつある;
 その人類には、「自然」状態のままの支配ではなく、「社会」状態に適した支配が必要だ;
 そのために、人びとが「契約」を結んで「国家」を成立させる(実際に過去にそうした、または、これからそうすることが必要だ)
という議論の枠組みは共通しています。
 では、「社会」状態とは何か? 「自然」状態から「社会」状態へと移行するとはどういうことか?
 この点について論者(ホッブズ、ロック、ルソー)自身の説明は必ずしも一致していませんし、正直に言うとあまりはっきりしてもいないように感じます。ルソーのばあいはたしか「私有財産の成立」という要素が大きかったのだと思いますが――ルソーはまだちゃんと読んでいないのでよくわかりません。
 もちろん「私有財産」という要素はロックでも重要です。