2009-05-14から1日間の記事一覧
ただ、では、後の「市民社会」論的な発想がロックにはまったくないかというと、そうではないようです。だいたい、「自律的な市民社会」が「国家」に対抗するという構想自体が、「支配者が、人民との契約に反して、義務を果たさなかったり、悪いことをしたり…
さて、 civil と political が同じ意味だということは、語源的に考えれば納得がいきます。 古典時代のギリシア(ギリシャ)の都市国家が polis (ポリス)です。ギリシア語では「ポリス」はただの「都市・都会・みやこ」の意味で、現代ギリシア語でもこの意…
このような「市民」論の発想は私は小田実さんの本で知りました。社会的にみても、日本社会で「市民」ということばにくっついているさまざまな感覚が成り立ったのは、小田実さんや、小田さんといっしょに「ベ平連」の活動をしていた人たちの影響は大きかった…
さて、最初に、今回の翻訳での訳語について思ったことを書いてみたいと思います。 まず、 civil と political についてです。 この『統治二論』の「第二論」は、これまで普通「市民政府論」と呼ばれてきました。英語では civil government です。ところが、…
前回に引き続いて、ジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』(岩波書店)についてです。 やっと「第二論」を読み終わりました。「ロックの『市民政府論』」と呼ばれ、広く知られている部分です。この部分も、「第一論」に引き続き、フィルマー卿を含む王権神…