猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-05-19から1日間の記事一覧

女性の「政治」参加はあり得るのか?

ところで、ロックのコモンウェルスの構想で、大人の女性がその「政治」に参加できるかどうかは、私がひととおり読んだ印象でははっきりしませんでした。 古典時代のギリシアの都市国家では女性の政治参加はあり得なかったので、ロックのコモンウェルスがその…

「コモンウェルス」の「政治」から排除される人たち

ロックは、コモンウェルスの国内に「平等でない関係」そのものはあってもかまわないと考えています。たとえば、ロックは、国王の権力を「家父長の絶対権力」と解釈するフィルマー卿を厳しく批判する一方で、家庭のなかでの親と子の上下関係は認めています。…

「コモンウェルス」とは何か?

ところで、 common は「共通の、共有の、庶民の」という意味で、 wealth は「富」です。このことばを知って以来、なぜ「国家」が「共通の(庶民の)富」なのか私にはずっとわからなかった。これが res publica (レース・プブリカ)というラテン語の英語訳で…

「政治」が存在するのは commonwealth だけである

ジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』後編の話を続けます。 ロックの議論では、王が「神」として人間を支配する国家や、王が人びとを「持ちもの」(奴隷)のようにこき使う国家、王が「親」のように国民の世話をする国家などには「政治」(「都市的なこと…