猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「質量」のネコミミ的理解

 つまり粒子の「真の大きさ」というのは存在しない。「どの粒子に対する大きさ=その粒子を通り抜けさせない範囲の広がり」かというので判断しないといけない。
 同じように、「質量」というのも条件によって変わるわけで、たとえば「ヒッグズ粒子」というのができて、「ヒッグズ機構」というのが働き始めると、W粒子とかZ粒子とかの「粒子」はいきなり質量を持ち始める。
 私は、これまで、その粒子が動こうとすると「ヒッグズ粒子に引っかかるから質量が生まれたように見える」のだとこのヒッグズ機構を理解してきました。でも、同時に、「ほかの粒子に引っかかって生まれた見かけの重さ(質量)と本体の重さ(質量)は違うんじゃない?」という疑問をずっと持っていました。ラッシュの人混みのために歩く速度が遅くなったからといって「あんた、最近体重増えたんじゃない?」とか言われるのは心外だし(まあ当たっている場合もあるけど……)、それはまだがまんするとしても、100グラムの肉を買ったのに50グラムしか入ってない、これはどういうことだと店に言うと「いや、当店のはかりのばねが途中で引っかかって100グラムって表示されたからこれは100グラムなんです」――いや、それはだめでしょう?
 同じように、W粒子さんも「ヒッグズ機構に引っかかったから質量が増えましたね?」と言われたら、「いや、あれはヒッグズ粒子で混雑していたから動きが重かっただけで、わたしの真の重さではない!」と言いたいに違いない……と思ったり、思わなかったり。
 でも、この「定数角振動数」という部分がヒッグズ粒子の作用で変わるんだよな、といえば、まあ、少しはわかりやすい。もっというと、粒子というのは「場の振動」が観測されて見える「現象」だとすると、「ヒッグズ粒子が分布した空間」というのは「ヒッグズ場」であるわけで、それで、「ヒッグズ場でない場の振動」を観測しても「定数角振動数」は検出できないけれど、「ヒッグズ場の振動」を観測したら「定数角振動数」が検出できてしまう、ということなんだな。
 つまり、「質量」というのはモードの一つなんです。場が変わればモードが変わるんですよ。そうです! 原作では葉月がネコミミモードとは限らなかったけど、アニメになると常時ネコミミモードになるのです。原作という場では葉月は非ネコミミモード、アニメという場ではネコミミモードというわけです。同じように、ヒッグズ場でなければ(=ヒッグズ粒子のない空間ならば)Wさんは「質量なしモード」だったけど、ヒッグズ場では(=ヒッグズ粒子が分布している空間ならば)Wさんは「質量ありモード」に変わる。つまり質量とは葉月のネコミミのことなんです!
 そう理解すればいい……んだと思います。なんか違うようにも思うけど。