猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-05-06から1日間の記事一覧

「神から条件つきで与えられたもの」としての自由

ここで、重要なのは、ロックが「王位は神から与えられる」ということを否定したからといって、ロックは「神」を否定するつもりはまったくなかったということです。 訳者「解説」によると、今回の翻訳の意図も、この政治権力をめぐる論争がまさに「神学論争」…

フィルマー卿の主張とロックの反論

「第一論」の政治的な論旨そのものは、「第二論」の最初に要約されている部分で十分ではないかと思います。 ロックの批判によるかぎり、ロバート・フィルマー卿の論旨は: ・神は最初の人間(男性)であるアダムに絶対的な「父としての権力」を与えたこと ・…

『統治二論 第一論』の内容

「第一論」は、ロバート・フィルマー卿というひとの王権神授説に対する反論、とくにその王権神授説の論拠になっている『パトリアーカ』(父権統治論?)という本への反論です。 今回、「第一論」を終わりまで読んでみて、これまであまり訳されなかった理由も…

ロック『統治二論』の「第一論」

ルソーのほうは中断して(だって難しいんだもん(汗))、ジョン・ロックの『統治二論』の新しい訳(2007年)を読んでいます。 加藤節 訳『統治二論』岩波書店 isbn:9784000241403 この「二論」の後半「第二論」が一般に『市民政府論』として知られている社会…