猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-05-31から1日間の記事一覧

惑星ができる過程の複雑な事情

太陽系の木星や土星自体が、なぜもっと内側まで落ちて「ホット・ジュピター」にならなかったか自体が、よくわかっていないそうです。原始惑星系ができていく過程は: http://subarutelescope.org/Pressrelease/2004/04/18/j_index.html#fig1 に出ています。…

巨大惑星はなぜ中心星の近くまで「落ち」ない?

もし、巨大惑星ができたころに原始惑星系円盤が残っており、それが切れ目のない円盤だったならば、巨大惑星は中心星のすぐそばまで落ちて「ホット・ジュピター」になる。ということは、巨大惑星が「ホット・ジュピター」になっていないのは、円盤に切れ目が…

「巨大惑星の投げ出し」という「別解」

「別解」を考えてみることもできます。巨大惑星が形成されたのは、現在の遠い軌道ではなく、もっと中心星に近いところだった。たとえば太陽系の木星とそう変わらないぐらいの距離の場所だった。ところが、他の天体との引っぱり合いの結果、惑星系の外側まで…

「帯状の輝き」が地上を照らす世界

ということは、フォーマルハウトや恒星 HP 8799 やがか座ベータ星の周囲の「塵の円盤」にある塵の分量は、太陽系の小惑星帯よりもずっと多い。たぶん、水星と金星と地球と月と火星がぜんぶ「塵」に戻った分量よりずっと多いのではないでしょうか。 フォーマ…

遠方巨大惑星のある惑星系はどうやってできたか?

さて、では、気を取り直して、外側に巨大惑星が回り、その内側に幅の広い「塵の円盤」があるという惑星系はどのようにできたかを考えてみましょう。まず標準的なモデルを考えてみます。 最初に塵とガスでできていた原始惑星系円盤が、ある段階の「微惑星」を…

「塵の円盤」をめぐる誤解

フォーマルハウトの惑星と HR 8799 の惑星は、どちらも、中心星(恒星、自分で輝く星)が「塵の円盤」をいまも持っているということです。 私は、前の日記を書いたときまで、「塵の円盤」というのは「原始惑星系円盤」がそのまま残っているものだと誤解して…

「遠方巨大惑星」から惑星系の成立を考えてみたり

前回の「新発見の系外惑星」のお話の続きです。