猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「巨大惑星の投げ出し」という「別解」

 「別解」を考えてみることもできます。巨大惑星が形成されたのは、現在の遠い軌道ではなく、もっと中心星に近いところだった。たとえば太陽系の木星とそう変わらないぐらいの距離の場所だった。ところが、他の天体との引っぱり合いの結果、惑星系の外側まで投げ出された。そこで新しい安定した軌道を得て、無事にいまもそこを回りつづけているというわけです。
 こういう「投げ出し」が起こると軌道は楕円になってしまうことが多い。たとえば、地球から打ち上げた(つまり地球から投げ出した)人工衛星は、最初は楕円軌道を回っていて、適当なところでエンジンを吹かして円軌道に入れるわけです。同じように、巨大惑星が「投げ出された」とすると、それをまた円軌道に入れるための仕組みが何か必要になります。たとえば、惑星系の外側まで来たときにもういちど別の惑星の引力に引かれたとか、惑星系の外側に塵やガスの円盤がドーナツ状に残っていたとかです。惑星が塵やガスの円盤のなかに突入すると、塵やガスとの摩擦で回転の速さが落ちて、中心星のほうに落ちていきます。外側の塵やガスの円盤であまりに速さを失いすぎると中心星のほうに戻ってしまいますが、適度に勢いを失ったのならば、その円盤のあたりで軌道が安定し、円軌道を回るようになるかも知れません。