猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2009-06-07から1日間の記事一覧

「帝制」の成立

さて、この「一つの役職には必ず二人以上を任命する」という制度にも一つだけ例外があったそうです。それが「独裁官」 dictator という制度です。都市が危機に陥ったときに限り、しかも期間を厳しく限定して、一人に権力を集中するのです。つまり、「独裁」…

「共和制」ローマの人事制度、そして、カイシャの「?」な話

そして、その都市ローマは、「王制」的なものを極度に嫌う性格のある都市でした。 都市ローマはもともと王制都市として出発しました。しかし、悪政を行う王が出たので、市民が王を追放したとされています。そして、それから、王制が復活しないように「政治」…

ローマとはどういう国家だったか

この「自由な都市」と「専制王国」という意識がローマ共和制国家〜ローマ帝国を経て受け継がれたということが、事態をさらにややこしくしているように私には思えます。 ローマは後に「帝国」になり、中近東からスペインまで、イギリスからアフリカ北海岸まで…

二つの「君主制」

「自由」なギリシア諸都市の「政治」(=都市運営)体制の一つのやり方として、権力を一人に集中する「君主制」という方式がある。他方で、ペルシアやエジプトなどの東方の国家の、人民を王の「持ちもの」としてこき使う「専制」的な王制がある。ロックはこ…

「君主制」をめぐる議論とローマの共和制国家

えーと、引き続いて、いちおうジョン・ロック/加藤節(訳)『統治二論』後編(第二論)をめぐる話なんですが、前回に続いて今回もロックとはあまり関係のない話です。また、今回は、ラテン語を勉強するときに読んだ本に書いてあったはずのことを大幅に援用し…