猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

たいへん深い部分月食(11月19日)

 11月19日の「たいへん深い、ほぼ皆既の」部分月食、見ました。
 たまたま、仕事その他の都合で東の空がよく見えるところに滞在していたので、月の出から(本影食の)最後まで見ることができました。
 月が昇ったときには左半分(北)が暗くて、「たまたまそこが雲で隠れているのだろう」と思っていたら、ほんとうに左から欠け始めていたのですね。それが、いちばん欠けていたときには右下(東)のほうだけが明るい光を失わず、食(本影食)の終わりでは上のほう(西)だけに影が残っていました。
 地球も月も同じ平面を回っているとすれば、月は地球の影を単純に西から東へと追い抜いて行くはずですが、そうはなっていなくて。
 月が、斜めに、地球の影を横切ったというのが、見て、体感できました。
 月食そのものも見ごたえがあったけど、月って2時間ぐらいでわりと高いところまで昇るんだな、という、わりと単純なことにも感動したりしました。
 いやぁ……。

 ところで、地球の直径はだいたい1万2750キロ、月の直径はだいたい3480キロ、地球と月の距離はだいたい38万キロということです。
 地球を直径1.3センチのビー玉とすると、そこから38センチ離れたところに直径4ミリぐらいのビーズ玉があって(4ミリはビー玉と言うにはちょっと小さい気が…)、その直径4ミリのビーズ玉にビー玉の影が落ちている、という状態です。ちなみに、38センチというと、B4の紙の長辺よりちょっと長い程度です。なぜ知ってるかというと同人誌の割り付けをやってるから……とかいうのはどうでもいいな。
 そういう状態が一年に1~3回起こる、というのは、頻繁なのかどうか。

 今回の月食が「深い」ということが報道で強調されていましたが、「部分月食としては深い」ということで、「部分月食だけど皆既月食にならないぎりぎり」の「ぎりぎりさ」がとくにすごい、ということです。いちばん深い月食は、皆既月食で、しかも地球の影の中心が月の中心を通るような月食です。このときには月はとても暗く見える、ということらしいです。
 ところで、月食の前後一か月のあいだには日食も起こることが多い。
 今回も12月4日に皆既日食が起こりますが。
 見ることができるのは南大西洋南極大陸の近く~ニュージーランドとオーストラリアの南の端あたりなので、日本では見ることができません。
 次回に日本で見ることのできる月食は来年の11月8日で、(本影食は)18時8分ごろ開始、21時49分頃に終わります。しかも、19時16分から20時42分まで、1時間半ほど「皆既」が続きます。さらに、月食の途中で、天王星が月に隠され始めるのが見えるという珍しい状況です。天王星が月の後ろから現れるのは月食終了後です(なお天王星食そのものは来年の2月から2023年の2月ごろまで起こります)。
 日食のほうは、来年は地球全体では、2度、部分日食が起こりますが、2度とも日本からは見えません。2023年には「金環皆既日食」というわりと珍しいパターンの日食が4月20日に起こり(一回の日食で金環食の地域と皆既食の地域がある)、日本でも一部の地域で「浅い部分日食」として見えます。

 日食・月食・惑星食のデータは:
 

eco.mtk.nao.ac.jp