猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「セカイ系」論をいちおう離れて

 それ以外では、まず、今回、いろんな意味で趣味に走って書いた女子校天文部のお話『ファイン・ガール』を再刊したら、もちろん少部数ですけれども、思っていたよりも買っていただけました。ありがとうございます。この本は、前回はA5で割り付けてB6に縮小して出力したのですが、現在のプリンタと紙だとその方法では字が掠れて読めなくなってしまうので、DTPをやり直しています。
 長篇ファンタジー『黄昏の大地』も何人かの方に買っていただきました。ありがとうございました。
 『黄昏の大地』は「なに系」かが自分でもうまく表現できなかったんですが、これってともかく「前途多難」系のお話なんだな(そんな「系」の作品がほかにあるのか、という問題はおいておいて)と思いました。「前途多難」といっても「鬱」ではない(つもり)ですけどね。なんか、作中の展開も、書いているほうも、途中でいろいろなことが起こって、ぜんぜん目的地にたどり着かない。で、作中のひとも書いてるひともその「前途多難」さにぜんぜん危機意識がない。作中のひとはいいけど、作者にその意識がないのは……困ったものなのでしょう。
 ところで、『黄昏の大地』が一冊で原稿用紙で500枚分ぐらいで、本の分量としてはかなり多いほうだと思っていたのですが、お隣のキョウオン観測所(http://kyo0on1.web.fc2.com/)さんの本はそれの4倍くらいあるすごい作品でした。これから読ませていただきます。
 また、反対側のお隣の天気輪さんは、お話をうかがったところでは「ファンタジー研究会」を母体とするサークルさんのようです。ファンタジー研究会は1981年以来活動を続けているグループなのだそうです。『てんきりん』はすてきな装丁の本格的なファンタジー誌です。いま拾い読みしてみると、じかにファンタジーに取り組んでこられた方がたらしいしっかりした「文体」のファンタジーでした。
 今回の文学フリマで残念だったのは、売り子が一人だったのであまり外に出られず(外に出たときにはお世話になりました>天気輪様)、他の出展者の方の本をあまり見られなかったことです。小規模の即売会だと「同じ部屋のなかだから」という安心感でけっこう出歩いていますが、ここではそうもいかない。知り合いのサークルさんにご挨拶にうかがい、その往還に目についた本を見せていただいた程度でした。
 あと、残念だったのは、花巻の即売会で TRIP と日程が重なってしまったことですね。あ〜。近いうちに花巻に行ってマルカン大食堂で箸で食べるソフトクリームを食べてこよう(そのために行くの?)。
 ともかく、次回は TRIP と文学フリマは開催日がずれるはずなので、両方とも参加することにしよう……。