猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「本を買う」ことの効用

 そんなことで、買ってきた本が、古本、新刊書、同人誌と合わせて何十冊と積み上がっている状態です。当分、読む本には困らない。しかも本を読んでいる時間がない。本を読んでいる時間がないことは5月の初めにはもうわかっていたことでした。
 それなのに本をたくさん買うなんて、愚かなことをやってるな、と感じないでもないですが(しのばずブックストリート、コミティア文学フリマについては「一期一会」の可能性が高いということはもちろんあるけれど)。
 そのとき思ったのは、まず、たくさんの本を前にして本を選ぶこと自体が楽しいということです。本との出会いのときの気分が反映する。最初に「もう帰ろうか」という気分でも、おもしろそうな本に出会ったら、先に見て、たいしておもしろいと思わなかった本までおもしろそうだと感じられてしまう。そして、「ここでこれを買わないと二度とこの本と出会えない」という思いになってしまう。それが惜しく感じられて、荷物の重さと財布のなかみが許すかぎり、買ってしまうことになる。
 それと、そのとき、もう一つ思ったのは、本を買うというのは「本を読むであろう時間」もいっしょに買っているということです。いまは忙しい。本を読んでいる時間はない。でも、いつかこの本を読むだけの時間が欲しい。いや、将来、この本をゆったりと読む時間が必ずあるはずだ。そういう将来の時間への「期待」を、私のばあい、本といっしょに買っている。それが裏切られることも多いのですが、実現したことも多い。だからやっぱり次も買ってしまうのですね。だから、忙しくて「いま本なんか読んでいる時間がない」というときに、かえって本をたくさん買ってしまう。
 そんなわけで、その買った本をゆっくりゆったりと読める時間のことを考えながら、時間的にも精神的にも余裕のなかなかとれない日々を乗り切っていきたいと思います。
 5月の買い物の予定は、あと、26日発売の『夜想サァカス』を残すのみとなりました! でも iPad も欲しい……。