猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

中国史

浅野裕一『諸子百家』講談社学術文庫、isbn:4061596845

2000年初版(講談社)の本の文庫版・改訂版である。 紀元前5世紀ごろから紀元前3世紀ごろまで、中国の春秋時代末期〜戦国時代に活躍した一群の思想家「諸子百家」について、その時代背景・伝記と思想のエッセンスを簡略にまとめた本だ。個別に採り上げられて…

平勢隆郎『都市国家から中華へ』と岡野友彦『源氏と日本国王』のつづき

今回の更新で掲載した評(→「特権的古代史からあたりまえの古代史へ(第2回)」)では、「春秋時代までの中国を都市国家の時代として描く」という平勢さんのコンセプトを活かすように、平勢さんもあまり使っていない「都市国家同盟」という捉えかたを軸に「…

平勢隆郎『都市国家から中華へ』のつづき

で、今回の更新では、前に id:r_kiyose:20050704 予告したとおりに平勢隆郎(正確には「勢」は上が「生丸」、隆は正字で一画多い)さんの『都市国家から中華へ』を採り上げた。また何回かに分けての分載になる。http://www.kt.rim.or.jp/~r_kiyose/review/rv…

平せ隆郎『都市国家から中華へ』講談社(isbn:4062740524)

平せさんの本は前から何冊も読んできた。というか、ここのところ、中国史関係でいちばんたくさん本を出している人の一人ではないだろうか。同じシリーズで、キタイ・遼から大元までを担当している杉山正明さんとともに、いちばん脂ののりきっている東アジア…

「覇」・「権」の思想

前にヘゲモニーの話をしたときに「覇」ということばを使った。この「覇」というのは、その人に正しい資格があるとは認められていないのに、力を使って天下を動かそうとするひとというイメージがある。正しい資格を認められて天下を動かすのは「王」であって…