猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

「対称性」

 さて、この『宇宙論I』では、宇宙論に関係のある素粒子物理学についても理論的な解説があります。正直に言って、数式がいっぱい出てきて、なんかさっぱりわからないんですが。最初のほうは、わからないなりに、「この右辺の変数の値が増加したら、左辺の数値も増加することになってるんだな」とか、「この変数は2乗になっているから、ここの数値が増えると全体の値もぐわっと増加するんだな」とか理解しようとしていたのですが……そのうちギブアップしてしまいました。
 「対称性」の理論もその一部として出てきます。この章「素粒子理論と宇宙初期」は数式番号が125まで行っていて(数式一つに番号が一つ振ってある)、数式だらけなので、すごい誤解をしている可能性もあるのですが……まあ私の理解したところをまとめてみましょう。自分の考えの整理にもなるし。
 「対称性」にもいろいろあって、電荷(帯びている電気)のプラスとマイナスとか、右と左とか、時間に沿って進む方向とさかのぼる方向とかいう「対称性」もあります。プラスとマイナスの対称性はC対称性(「チャージ」のC)、右と左はP対称性(「パリティ」のP)、時間に沿うかさかのぼるかの対称性はT対称性(これは「タイム」のTだろうなぁ)というそうです。「右と左」の対称性が登場するのがおもしろいと個人的には思います。「右と左で対称ですか?」という問題は小学校で「対称」について最初に習うときにも出てくる。電気のプラスとマイナスとか時間とかも小学校で習うけれど、「対称」と関係して出てくるということはありません。そういう初歩的な「対称」が素粒子物理学でも問題になっている。しかも、人間なら、心臓が左のほうにあるとか、右利きならば左手でコードを押さえて右手で弾くとか、いろいろ「右と左が違う」というのがあるけれど、素粒子の世界で右と左が違う(対称ではない)ことがあるなんてなんか奇妙な感じがします。