猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

イベント帰りに鞄が重くなることの量子力学的解釈

 今回は、午前中は雨という予報があり、いつも使っている背負うバッグの防水が怪しくなっていたので、手提げ鞄で行ったのですが、これが失敗で。とくに本を買った帰りはとても重かったです。
 これはやっぱり、岩漫が開かれているあいだに相転移が起こって、ヒッグズ場が生まれて、それで鞄の質量が重くなってしまったんですよ。うん。
 ――と考えても、やっぱりあんまり楽にはならない。
 「重くなるから今回は買う本を絞ろう」と思っていても、イベント会場に行くとつい買いすぎてしまうのは、一種の「相転移」といえば「相転移」の結果だけど。そう、会場に入るまでは「自分はどんな本を読みたいのだろう?」という方向性がいろんな方向を向いていて(=対称性があって)確定していなかったのが、会場に入って具体的に「この本!」というのを見ると、方向が確定してしまうのです。そこで対称性の自発的な破れが起こり(これは、物理学でのちょっとこなれない翻訳語の「自発的」ではなくて、ほんとに「自発的」だよなぁ。自分で「買いたい」と思うわけだから)本を買ってしまって質量を獲得する。ま、これも一種のヒッグズ機構ということで。
 あと、「買いたい本」というのは、買うまではいろいろと可能性がある。実際に本を買ってしまうまでは、どの本についても「買った状態の本と買わなかった状態の本」が共存している。しかし、会場で本を「観測」し、買ってしまうと、その本は「買った状態の本」として確定してしまう。これが同人イベントのコペンハーゲン解釈というもので、ニールス・ボーアが提唱したもの……のはずがありません。