猫も歩けば...

― はてなダイアリーより引っ越してきました ―

2010-01-01から1年間の記事一覧

「アトリエそねっと」岩漫61に参加します

9月19日(日)に盛岡市サンビルで開催される 岩漫61 に参加します。 新刊として予定していた『黄昏の大地』第三巻は諸般の事情で(≒仕事が予想以上に忙しくなったため)刊行延期にしました。つまり落ちました。すみません。11月のコミティアで当選すればその…

「思想としての理論物理学」

今回も佐藤文隆『破られた対称性』についてです。でも、その前に、まずお知らせです。

クォークはなぜクォークなのか?

もう一つ、「クォーク」がなぜ「クォーク」なのかという理由も、この本でようやくわかったことの一つです。 クォークというのは、陽子とか中性子とかいう、原子核を構成している「粒子」をさらに構成している基本粒子のことです。普通には「アップ」と「ダウ…

「質量」のネコミミ的理解

つまり粒子の「真の大きさ」というのは存在しない。「どの粒子に対する大きさ=その粒子を通り抜けさせない範囲の広がり」かというので判断しないといけない。 同じように、「質量」というのも条件によって変わるわけで、たとえば「ヒッグズ粒子」というのが…

粒子の「大きさ」・「質量」とは?

この本で新しく知ったのは、粒子の「大きさ」・「質量(重さ)」の基準についてです。 量子力学では粒子というのは「場の状態」の一つだと考えます(と言っていいんだろうなぁ……?)。この本にも出てくる、朝永振一郎の使ったたとえでいうと、「場」の電光掲…

佐藤文隆『破られた対称性』について(2)

この本の「難解」なところは、理論物理学で使う数学とかをできるだけ端折らずに(もちろん専門家の立場からいえば大きく端折っているのでしょうけど)説明しているところだ――と前回書きました。でも、逆にいうと、それがこの本のいいところでもあるわけで。

なぜ「数学には一つの答えしかない」のか?

だいたい「数学には一つしか答えがない」ということ自体が、イデオロギーか、思いこみか、ものを考えるときの労力の省略法か、生徒を混乱させず、かつ怠けさせないためのお説教に過ぎない。「1+1=2」で止めておいたほうが話がごちゃごちゃせずにすむのであ…

「数学には一つの正解しかない」ということはない

二つめの「難解」さには触れないとして、一つめの点についてです。とくにわかりにくいのが、理論物理学、とくに素粒子物理学で使われる数学の難解さです。 そりゃそうです。「高等数学」なんだから。でも、その「わかりにくさ」を追究してみると、その一つの…

なぜこの本が難解なのか?

正直に言えば、ともかく 難解 でした。 まず、ところどころに出てくる専門用語がよく理解できない。専門用語を説明する「コラム」も設けられているのだけれど、私には「コラム」自体が難解で、しかも「コラム」を読んでいるうちに本文の流れを忘れてしまうの…

佐藤文隆『破られた対称性』PHPサイエンス・ワールド新書、isbn:9784569709000

2008年、南部陽一郎、小林誠、益川敏英の三人の日本人がノーベル物理学賞を受賞しました。この本は、このノーベル物理学賞をもたらした三人の研究、とくに小林‐益川理論の説明と、それを生み出した日本の学会の雰囲気について、現在では日本の理論物理学界の…

本題に入る前のお知らせ

えーと、「アトリエそねっと」の同人誌のことなんですけど。 ファンタジー(いちおう)『黄昏の大地』の第三巻は岩漫にも間に合わなくなりました。 もともと8月のコミティアに間に合わせようとしていて、間に合わなくなり、岩漫に間に合わせるべく準備を進め…

いちおう『紅の水晶』の宣伝

それで、今回、前半部分だけとはいえ出したので、『紅の水晶』の宣伝をいちおうしておきます。 二十歳ちょっと前ぐらいの傭兵の少女のお話です。 主人公が女性で、武芸の持ち主で、架空の世界で、固有名詞がカタカナで、出てくるのが『黄昏の大地』が女公で…

コミティアに行ってきました

東京ビッグサイトで開かれたコミティア93にサークル参加してきました。 前回、「今晩原稿を書いて、明日割り付けて、明日の夜に印刷して持っていきます」と書いたのですが、けっきょく書いている時間がなくなってしまいました。それで、急遽、今年の冬あたり…

COMITIA93 に行きます

明後日の29日、東京ビッグサイト西2ホールで開かれる COMITIA93 (11:00〜15:30)に参加します。 アトリエそねっと け21a 新刊に何を出すかは、えーと、まだ決まっていません。今晩原稿を書いて、明日割り付けて、明日の夜に印刷して持っていきます。いずれ…

大間違い

で、次のお詫び・訂正です。 今夏のコミックマーケットでWWFさんから出ました新刊に寄せた私の文章「この国がもう一度戦後からやり直すとしたら」で、詩人 辻井喬 の本名で、西武百貨店グループのリーダーを 堤義明 さんと書いてしまいましたが、もちろん…

またご無沙汰しました

またずっとご無沙汰していました。申しわけありません。 3か月ぶりです。3か月と言ったら一年の4分の1ですよ。 その間、仕事の負担が重くて、更新している時間がありませんでした。今週前半でようやくひと息つける状態になったところです。 で、お詫びに続け…

「本を買う」ことの効用

そんなことで、買ってきた本が、古本、新刊書、同人誌と合わせて何十冊と積み上がっている状態です。当分、読む本には困らない。しかも本を読んでいる時間がない。本を読んでいる時間がないことは5月の初めにはもうわかっていたことでした。 それなのに本を…

「積ん読」から脱した本

そのなかで、読んだのは、『怪奇探偵小説傑作選―1 岡本綺堂集』(isbn:4480036415)と、江戸川乱歩 編『世界短編傑作集3』(isbn:4488100031)、かなり頻繁に拾い読みしているのは大和明・岡崎正通『モダン・ジャズ決定盤』(ISBN不明)だけ、どれもしのば…

本を買うことの効用

5月は、しのばずブックストリートに行き、コミティアに行き、文学フリマに行って、ずいぶん本を買いました。文学フリマでは自分が出展者だったのであまり本が買えませんでしたが、しのばずブックストリートとコミティアでは文字通り「両手にいっぱい」の本を…

「セカイ系」論をいちおう離れて

それ以外では、まず、今回、いろんな意味で趣味に走って書いた女子校天文部のお話『ファイン・ガール』を再刊したら、もちろん少部数ですけれども、思っていたよりも買っていただけました。ありがとうございます。この本は、前回はA5で割り付けてB6に縮…

「「セカイ系」論」論

今回の新刊は、前の日記で書き始めた「セカイ系」についての評論を倉卒の間にまとめたものです。いちおう「「セカイ系」論」論ですが、「セカイ系」作品はほとんど読んだことも観たこともない状態で書いているし、「セカイ系」論についての知識も前島賢さん…

文学フリマ行ってきました

東京の蒲田(大田区産業会館PiO)で開かれた文学フリマに行ってきました。あいにくの天気のなか、文学フリマに参加されたみなさま、お疲れ様でした。 チラシの残部から見て20人ほどのお客様に本を買っていただいたことになりますが、せっかくチラシを作っ…

『エヴァ』について少しだけ(長いけど)

この本では、『新世紀エヴァンゲリオン』を「前半」と「後半」に分けて説明しています。「前半」は、密度の高い作画とカット割り、濃密な世界設定、その世界設定を表に出さず、その存在を示唆する「謎」をちりばめて見せる見せかたなど、当時20歳代に達して…

宇野常寛さんの東浩紀さんへの批判をめぐって

また、宇野常寛さんの東浩紀さんへの批判や、それと関係して宇野常寛さんが「決断主義」を支持しているように読まれることについても、「セカイ系を支持しているわけではない東浩紀と、決断主義を支持しているわけではない宇野常寛が対立する必要があるのか…

前島賢『セカイ系とは何か』ソフトバンク新書、2010年、isbn:9784797357165

ある友人がこの本を読んで、おもしろかったということだったので、買って読んでみました。 著者は、設定上の碇シンジの年齢と同じ14歳で、前の『エヴァンゲリオン』の劇場版完結編を観たという「第三世代オタク」で、東浩紀さんが編集・発行していたメールマ…

いまさらながら連休に何をやっていたかというと

……本買ってました。 5月2日には、上野〜谷中一帯で開かれた一箱古本市「しのばずブックストリート」に行き、気がついてみると(汗)、持って行った予備のバッグまで本でいっぱいになっていました。「一箱」の古本店主のみなさんと話していると、ほんとうに本が…

アルバムをめぐって

まず、恒例(と言っても2回めだけど)の「レコーディング中、CD発売、ライブを○○にたとえたら」というご質問が、今回は「サーカスの出し物にたとえたら」で、それへのお答え: 春菜 レコーディング中は綱渡りしかないと思いますよ。もしくは、もぉのすごく…

仕掛け

今回のアルバムらしい「仕掛け」としては、まず: 春菜 どうしても「なう」を入れてほしい、どこでもいいんで、わたし、いま「なう」って言っときますんで、これを適当なところで囲いこんでくださいって、言って。 あと、ツイッターとかツイートとかも入れよ…

Radio Haluna とドジッ子さん問題

最初のほうで、5月14日から配信されるウェブラジオ『Radio Haluna 「番組名募集中!」』についての紹介(広報?)がありました。「Radio Haluna」は「レイディオハルナ」と読むらしいです。パーソナリティは春菜さんで、サブパーソナリティが、作曲・コーラ…

続・池澤春菜『夜想サァカス』合同記者会見報告

「4月末までにアップする」というのが記者会見参加の条件だったんですが、5月です。もう会見から1か月近く経ってます。まぁ、アルバムそのものについては4月中に(ぎりぎりだけど)挙げているから、クリアしたし、来週が Radio Haluna の第一回配信だから………